慢性的な便秘を解消するために、東洋医学で「秘結(ひけつ)」と呼ばれる4つのタイプ(熱・寒・燥・気)の違いとそれぞれの便の特徴、タイプに応じた食材の選び方を解説する石丸院長

胃腸・消化器系

【実録】便秘のタイプを4つに分類!鍼灸師が教える原因別の食事と解消法

みなさん、こんにちは。 武蔵小杉鍼灸接骨院 院長の石丸です。 本日もブログをお読みいただきありがとうございます。

本日は、日々の生活の中で非常に多くの方が人知れず悩まされている「便秘」について、東洋医学の視点から詳しくお話ししていきます。

便秘の共通する明確な定義はありませんが、日本内科学会では「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」とされており、本来お体から出すべきものを快適に出し切れていない状態を指します。

東洋医学では、便秘のことを秘結(ひけつ)と呼び、原因によって大きく4つのタイプに分けて考えます。ご自身がどのタイプなのかを知ることで、効果的な対策が見えてきますので、ぜひチェックしてみてください。

東洋医学で見る4つの便秘タイプと便の特徴

お体の状態や便の形によって、原因となるお体の乱れを4つに分類することができます。

タイプ1. 体に熱がこもる「熱秘(ねっぴ)」 脂っこい食べ物や味の濃いものの食べ過ぎによって、お体の中に過剰な熱がこもってしまっている状態です。熱によって体内の水分が奪われてしまうため、便がカラカラに乾燥して硬くなるのが特徴です。 ・その他の特徴:のぼせ、口の渇き、顔が赤くなりやすい、口臭、尿の色が濃い黄色になるなど。

タイプ2. お腹の冷えで動きが止まる「寒秘(かんぴ)」 手足やお腹の冷え、冷房による冷え、あるいは冷たい飲食物や生ものの摂りすぎによって、腸が冷えて動きが著しく低下してしまっている状態です。 ・便の特徴:出始めの先端だけが硬く、後半は軟らかい便(長く腸に留まった先端だけが水分を吸い取られるため)。 ・その他の特徴:トイレが近い、顔が青白い、お体を温めるとお腹の調子が良くなるなど。

タイプ3. 潤いが不足して乾燥する「燥秘(そうひ)」 お体の中のみずみずしさ(津液)が不足している状態です。特に高齢者の方に多く、腸の水分が足りないため、便が砂漠のように乾いてスムーズに滑り出てきません。 ・便の特徴:ウサギのフンのような「コロコロとした丸く硬い便」。 ・その他の特徴:髪の毛がパサつく、お肌にツヤがない、唇がすぐに乾燥するなど。

タイプ4. ストレスで巡りが滞る「気秘(きっぴ)」 日頃のストレスや過度な疲労によって、自律神経や腸の運動をコントロールするエネルギー(気)が滞り、便を押し出す力が不足している状態です。 ・便の特徴:便秘と下痢を交互に繰り返しやすい。出すまでに非常に時間がかかる。 ・その他の特徴:お腹が張って苦しい、ゲップやおならが出やすい、残便感が強いなど。

タイプ別に実践したい食事の引き算・足し算

ご自身がどのタイプに当てはまるかが分かったら、お腹を根本から整えるための食事養生を取り入れていきましょう。

・熱秘タイプの引き算・足し算 お体の中の余分な熱を優しく冷ましてあげる必要があります。 お食事では、体内に熱をこもらせる脂っこい食べ物や味の濃いものは徹底して引き算してください。足し算したい食材としては、お体の余分な熱を取り除きながら便通を促してくれる「こんにゃく」が非常にお勧めです。また、南国の暑い地域で採れるバナナやパイナップルなども、お体の熱を冷ます手助けをしてくれます。

・寒秘タイプの引き算・足し算 お腹を内側からポカポカと温めて、腸の動きを呼び覚まします。 まずは冷蔵庫から出したばかりの冷たい飲み物や生ものをしっかりと引き算してください。お食事には、お体を温めてくれる生姜(しょうが)、ニンニク、ニラ、ネギなどの温熱食材を積極的に足し算していきましょう。南国のフルーツなどはお体を冷やすため、このタイプの方は控えるのがベストです。

・燥秘タイプの引き算・足し算 枯渇してしまっているお腹の潤いをしっかりと補給してあげることが最優先です。 日頃からこまめに水分補給を行うことはもちろん、お食事の際にお肌や粘膜、腸の内側を優しく潤してくれるハチミツ、ゴマ、アーモンドなどのナッツ類を毎日の習慣に足し算してみてください。腸に滑らかさが戻り、コロコロ便がすんなり出やすくなります。

・気秘タイプの引き算・足し算 滞ってしまった自律神経の緊張をほぐし、腸のコントロール力を復活させます。 何よりも過労を避け、十分な睡眠時間をしっかりと確保することが基本の引き算になります。そして、香りの良い食材やハーブを日頃の食事に足し算してみましょう。ミント、シソ、パクチー、セロリなどの香りの良いお野菜は、東洋医学において滞った気(自律神経)の巡りをスムーズにし、お腹の張りや便秘を解消する素晴らしい薬効を持っています。

まとめ

便秘タイプを見極め、お腹を根本からスッキリ整えるポイントは以下の通りです。 ・東洋医学では便秘を「秘結」と呼び、熱・寒・燥・気の4つの原因に分ける ・熱が原因(熱秘)なら、脂っこいものを避けてこんにゃくやバナナでお体を冷ます ・冷えが原因(寒秘)なら、冷たいものを避けて生姜やニラでお腹を温める ・乾燥が原因(燥秘)なら、ハチミツやゴマ、ナッツ類で腸に潤いを足し算する ・ストレスが原因(気秘)なら、睡眠をよくとり、シソやミントなど香りの良い食材で気を巡らせる ・どのタイプも、規則正しい生活、バランスの良い食事、適度な運動が健康な排便のベース

便秘はお薬で一時的に無理やり出すだけでは、お腹の根本的な不調は解決しません。ご自身の便やお体の声をよく観察し、タイプに合わせた優しい養生をコツコツと積み重ねて、内側から毎日スッキリと気持ちよく過ごせるお体を作っていきましょう。

以前ご紹介した「舌の縁がギザギザ・凸凹する歯痕舌の原因(水分代謝とお腹の弱り)」や「自律神経失調症の人に絶対飲んでほしい飲み物(睡眠前の正しい白湯習慣)」、さらには「後鼻漏に本当におすすめの食べ物(お腹を元気にする黄色い食材)」なども、内臓の働きを高めてお通じを健やかに保つために深く繋がっている大切なお話ですので、ぜひ合わせて参考にしてください。

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