武蔵小杉鍼灸接骨院 院長の石丸です。 本日もブログをお読みいただきありがとうございます。
本日は、当院でもたくさんの妊婦さんからご相談をいただく「鍼灸での逆子の治し方」についてお話ししていきます。 今まで一度も針やお灸を受けたことがないという方でも、「逆子になったから受けに来ました」という方がとても多くいらっしゃいます。それだけ東洋医学の逆子ケアは歴史があり、有名です。
今回は、当院に実際にご来院いただいた際にお伝えしている、逆子鍼灸のメカニズムと具体的な治療のやり方をすべて包み隠さず解説していきます。
逆子とは?東洋医学で考えるその原因
通常、お腹の中の赤ちゃんは頭が下、足が上の状態(頭位)で安定していますが、これがひっくり返って頭が上、足が下になってしまっている状態を逆子(骨盤位)と呼びます。 西洋医学ではその多くが原因不明とされていますが、東洋医学では以下のような背景が関係していると考えています。
・お体の「冷えのぼせ」による影響 健康な体は、頭が冷えて足元が温かい「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」が基本ですが、妊婦さんのお体が冷えて「足元が冷たく、頭がのぼせている」状態になると、赤ちゃんがどちらを頭にすれば良いか混乱して逆子になりやすいと言われています。足の先にお灸を据えることで、「こっちが温かい足元だよ」と赤ちゃんに教えてあげる役割もあるのです。
・陰性(体を冷やす・緩めるもの)の摂りすぎ 甘いものなどの陰性の食べ物を過剰に摂ると、お体が緩んで膨張しやすくなります。お腹の中のスペースに余裕が出すぎて、赤ちゃんがくるくると回りやすくなり、結果として逆子で止まってしまうという考え方もあります。
逆子を直すための最大のキーワードは「赤ちゃんの向き(右・左)」
当院に逆子の妊婦さんがいらっしゃったとき、まず最初に確認するのが「赤ちゃんは今、お腹の中で右と左のどちらを向いていますか?」ということです。 この赤ちゃんの顔の向きによって、施術のファーストステップが変わります。
1. 赤ちゃんが「右」を向いている場合 赤ちゃんは構造上、右を向いている状態からの方が下を向いて回りやすい(頭位に戻りやすい)とされています。そのため、すでに右を向いている場合は、そのまま足へのお灸をしっかり行い、回転を促していきます。
2. 赤ちゃんが「左」を向いている場合 左を向いている状態の時は、そのままでは少し回りにくいため、まずは「赤ちゃんを右に向けさせてあげる」ことからスタートします。 そのために必要なのが、お腹の中に十分な「スペース(隙間)」を作ってあげることです。
当院では、お腹の部分が大きくくり抜かれた妊婦さん専用の「天使の卵クッション」を使い、お腹を圧迫することなく安全にうつ伏せの姿勢をとっていただきます。その状態で、腹筋などのまわりの筋肉を緩める針やお灸を行うことで、お腹の張りをとり、赤ちゃんが右を向きやすい広いスペースを作っていきます。
左向きのタイプの方は、ご自宅でもうつ伏せになってお尻を持ち上げる「逆子体操」を取り入れ、お腹のスペースを広げて右へ回しやすくしていく形をとるのが最もお勧めです。
右向きに変わったことが確認できたら、そこから本格的に寝る向きを横向き(斜め45度など)に調整しながら、回転を狙うステップへと進みます。
逆子の特効ツボ「至陰(しいん)」とお灸の重要なルール
逆子を直すために、古くから世界中で使われている最も有名なツボが、足の小指にある至陰(しいん)です。
・至陰(しいん)の場所 足の小指の爪の生え際、その外側の角のところにあります。
・お灸をする際のプロのコツ 私たち鍼灸師が至陰にお灸を据える際、絶対に外さない鉄則があります。それは「必ず右足から先にお灸を始めて温めていく」ということです。右から刺激を入れることで、赤ちゃんが右を向いて回りやすくなるお体の流れを作ります。
さらに効果を高めるために、内くるぶしの上にある三陰交(さんいんこう)というツボも組み合わせて使用します。
・三陰交のお灸の数(壮数)の数え方 三陰交に据えるお灸の数には、お体の負担を考慮した目安があります。それは「現在の妊娠週数÷2」の数です。 例えば、妊娠32週の方であれば、32÷2=16。つまり、左右の三陰交にそれぞれ16回(16層)ずつお灸を据えてから、小指の至陰のお灸へと移っていきます。
※注意:私たちが治療院でひねって据える小さなお灸と、市販のせんねん灸などでは熱量の強さが全く異なります。ご自宅で市販のお灸を使って16回も同じ場所に据えると、確実に火傷をしてしまいますので、ご自宅で行う場合は回数にこだわらず、心地よい温かさを感じる程度にとどめてください。 治療院で行う至陰のお灸は、火傷をしない範囲で「しっかりと熱さを感じるまで」据えることで、子宮の血流を促し、赤ちゃんの胎動を活発にして回転を促します。
まとめ
鍼灸による逆子治療のポイントは以下の通りです。 ・赤ちゃんが「左」を向いている時は、まずお腹にスペースを作って「右」を向かせる ・右を向いたら、横向きの姿勢やお灸をフル活用して頭を下へと回していく ・逆子の特効ツボは、足の小指の爪のキワにある「至陰」 ・至陰のお灸は、必ず「右足」から先にスタートして温めるのが鉄則 ・三陰交のお灸は、現在の妊娠週数を2で割った数が専門的な目安
逆子治療は、一般的に「妊娠34週まで」が最も動きやすく、直しやすいゴールデンタイムと言われています。週数が進むにつれてお腹のスペースが狭くなり難易度が上がっていきますので、逆子と言われたら一刻も早く行動を起こすことが大切です。
もちろん、かかりつけの産婦人科のお医者様としっかりとご相談しながら、安全な出産に向けた頼もしい選択肢の一つとして、東洋医学の鍼灸治療を上手に取り入れてみてください。
武蔵小杉で逆子や妊娠中のマイナートラブルにお悩みの方へ
「産院の先生に逆子体操を勧められたけれど上手くできているか不安」「帝王切開の予定日が決まってしまい、焦っている」という方は、ぜひ一度当院へご相談ください。 当院では、妊婦さんが安心してうつ伏せになれる専用クッションを完備し、赤ちゃんの向きに合わせたオーダーメイドのお灸と優しい針施術で、お腹の張りを緩めて赤ちゃんが自然と本来の場所に還れるよう、全力で温かくサポートいたします。
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