こんにちは。武蔵小杉鍼灸接骨院 院長の石丸です。
今回は自宅でも簡単にできるセルフお灸のやり方を解説していきます。
よく患者さんやYouTubeの視聴者さんから
『家でもお灸やりたいんですけど、どうしたらいいですか?』
というご質問をいただきます。
お灸は鍼灸院で定期的にしていただくのもいいのですが、自宅でこまめに施灸していただくことで免疫力も上がります。また、正しくツボにお灸することによって症状の緩和やツボの効果を最大限に引き出すことができますので、自宅でも施灸していただけると私たちも嬉しいです。
しかし、お灸は火を使いますので火傷のリスクなどあります。本日は是非、正しいお灸のやり方を覚えていってください。
⒈自宅施灸で準備するもの
それではまず準備するものをご紹介します。
-
お灸
-
灰皿
-
ライター
-
ペン
-
濡れタオル
ここからは1つずつ説明していきます。
まずはお灸です。
こちらがご自宅でも簡単にできるタイプのお灸で、台座灸といいます。有名なのは《せんねん灸》ですね。
この様にシートになっているものもありますし、バラバラで入っているものもあります。台座灸ではないのですが、でんぷん糊を水で潤わせて皮膚に粘着させる物もありますので、皮膚が弱く台座灸の粘着面に皮膚が負けてしまう方はでんぷん糊タイプがおすすめです。
当院ではこのシートになっているタイプを使ってますので、本日はこのシートタイプで説明していきます。
台座灸はこの台座の上にもぐさが詰まった筒があります。
ここに火をつけることでお灸である艾(もぐさ)が燃えて温熱刺激を皮膚に与えることができます。
お灸は様々な強さの熱さが用意されてますので、初めは温度が低いものから始めるのがおすすめです。ほとんどの台座灸はパッケージに熱さのレベルの記載があります。メーカーによって表記の仕方が違ってきますので、そのメーカーの中の一番弱いものから始めてみてください。
つぎは灰皿です。どういった灰皿でもいいのですが、入れるところが広く、中に水を張れるものですとより安全にできます。
ライターですが、ライターもどんなものでも結構です。私はこのような100円均一の物を使っています。ターボライターは火力が強く炎の先端が見えずらいので火傷には特に注意してください。
それとペンですね。ツボの印をつけるために使いますので、どういったペンでも大丈夫です。水で簡単に消えるものが痕にならなくていいと思います。
最後に濡れタオルです。無くても大丈夫ですがあるとより安全にできます。
⒉お灸のやり方
ここから実際にお灸をやってみます。今回はこの手首にある【陽池】(ようち)というツボにお灸をします。
まずペンでツボの場所に印をつけます。
次にお灸の裏側のシールをはがします。ここでポイントなんですがツボに貼ってから火をつけるのではなく、一旦指に貼って火をつけてからツボに貼ります。実際にやってみます。
火が付きましたので指からツボに貼り替えます。火を着けてすぐであれば、まだ台座は熱くありません。
ここで注意点なのですが、気や熱は上に行きますのでこの筒の部分を必ず上に向けます。重要なのでもう一度言います。筒の部分は必ず上に向けてやって下さい。このように下に向けると火傷の原因になりますので絶対にやらないでください。
火がついてツボに乗せたらそのまま4~5分放置します。
大体1分ぐらいたってこのようになると温熱刺激が感じられるようになります。ここで再び注意点ですが、温かいぐらいですと問題ないのですがチリチリやピリピリするような刺激を感じましたら熱さを我慢せずに途中でとって灰皿に入れてください。
この時、台座は熱くなっておりますので、先ほど用意した濡れタオルで親指と人差し指を湿らせてから取るといいです。慣れていると指を湿らせなくても触れると思いますが最初は湿らせた方が安全です。
大体4,5分経つと温熱刺激がなくなりますのでお灸を外します。この時に上に真っ直ぐとるのではなく少し捻りながら取ると取りやすいのでやってみてください。外しましたら水を張った灰皿にお灸を入れます。これで終わりです。
自宅でやるお灸の場合はお灸の回数は大体1回やれば十分な場合が多いので、あまり回数にとらわれることなく自分のリラックスできる時間を見つけて、気軽にやっていただけるといいと思います。
先ほど言ったように、チリチリやピリピリした刺激があるときは熱すぎる場合が多いのでやりすぎに気を付けて、じんわり温かいぐらいの刺激で日々継続してやっていただくのが1番効果があるんじゃないかと思います。
⒊お灸の注意点
最後に大切なことなので注意点をまとめます。
①お灸は指に貼ってから火をつけてツボに貼ること。
②筒の部分を必ず上に向けること。
③チリチリやピリピリする刺激を感じたらお灸をとること。
この3点に気つけてお灸をやってみてください。本日は自宅でのお灸のやり方をご紹介しました。