みなさん、こんにちは。
神奈川県川崎市武蔵小杉駅で鍼灸接骨院をやっております武蔵小杉鍼灸接骨院 院長の石丸です。
本日もブログをご覧くださって、ありがとうございます。
今回はですね、子宮の収縮、子宮の筋肉と東洋医学の関係について書いていこうと思います。
妊活をされている方でも、これについて意識する方は少ないと思いますが、受精卵が着床する上でとても大切なポイントになりますので、興味のある方は最後まで読んでいただけたら幸いです。
目次
子宮について
子宮は赤ちゃんを10ヶ月間育てて、最終的に赤ちゃんを押し出す役割のある臓器ですね。
さらっと書きましたが、育てることと押し出すことは子宮にとっては正反対の作用になります。
赤ちゃんを育てている期間は子宮が収縮してしまうと、赤ちゃんが子宮から出てしまうので強い収縮はしないようになっています。
出産の時は、育てている時とは反対に強い収縮で赤ちゃんを子宮から出さなくてはいけません。
身体の中で『収縮』ができるものは『筋肉』になります。腕や足を動かす筋肉、顔に表情をつくる筋肉、内臓を動かす筋肉など、筋肉は身体中にありますが、その中でも子宮は筋肉が多い臓器になります。
そのため人によっては収縮しやすい方もいますし、反対にゆるみやすい方もいます。
子宮は普段から多少の収縮はあります。これは妊娠中でも起こりますが、あまりに妊娠中に収縮が強いと流産や早産になってしまうため、妊婦健診ではお腹の張りなどをしっかりチェックしてもらっているんですね。
東洋医学で子宮のツボといえば
妊活をしている方は耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、婦人科系といえばこのツボ!といわれているツボがあります。
【三陰交】(さんいんこう)というツボで、漢字の通り3つの『陰』のツボのみちが交わるツボになります。
関連動画⇒【三陰交】ツボの正しい探し方。手順は3つ!実際にやりながら説明します!
妊活中(妊娠する前)に三陰交に毎日お灸をすることで、柔らかい子宮とふかふかの子宮内膜をつくることができると、鍼灸師は口を揃えて言います。
反対に妊娠初期は触らない方がいいツボとされていて、妊娠中期からは安産のツボとして活躍してくれます。
とても子宮と関係の深いツボだということは、分かっていただけたと思います。
ここからは、三陰交についてもう少し詳しく解説していきますね。
先程、3つの陰のツボのみちが交わると書きましたが、その3つというのは『肝』のツボ、『脾』のツボ、『腎』のツボの3つです。婦人科とは全く関係無さそうと思われますよね。
東洋医学では生殖能力は『腎』のツボの作用とされています。
関連記事⇒【腎臓の弱り】東洋医学から見た腎臓が弱ってるサインとおススメの食べ物やツボを紹介します
関連動画⇒【重要】腎臓が弱ってるサインと対処法やツボを紹介します
『脾』は食べたものを消化し、栄養を吸収する作用があり、『肝』は全身の筋肉の働きに関係しています。
現代の考え方とは、大分違うんですね。詳しくはこちらを⇓ご覧ください。
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先程、子宮は筋肉が多い臓器と書きましたが、筋層の内側に子宮内膜があり筋層の外側は漿膜(しょうまく)という膜がある構造になっています。
肝は全身の筋肉に関係するとも書きましたが、子宮の筋肉にもモチロン関係してきます。
そして、子宮内膜は脾、漿膜は腎とつながりがあります。
三陰交は1つのツボで子宮全体にアプローチできる、お得なツボなんですね。
子宮筋と三陰交
みなさんは肩こりと言われて、肩の筋肉がどうなっていると思いますか?硬そう、血行が悪そう…そんなイメージがあると思います。肩に限らず、筋肉は血行が悪いと硬くなり柔軟性が低くなっていきます。
身体が硬くなるというのは、関節をまたぐ筋肉が硬くなることをいっていますね。
年齢と共に運動する機会が減り、身体を動かさなくなると筋肉へ届ける血流も低下するため、身体はどんどん硬くなります。
これは運動器(自分の意思で動かせる部分)の筋肉に限った話ではありません。内臓の筋肉も同じように硬くなっていきます。
特に一度も妊娠したことない方の子宮の筋肉は元々硬めなため、血行がよくないと肩こりのような状態になってしまいます。さて、筋トレとは違い、自分の意志で動かすことのできない子宮の筋肉を意図的に柔らかくすることなんてできるのでしょうか?
答えは『できます!』です。
先ほど説明しました三陰交のツボです。このツボは子宮筋の血流を良くすることができます。運動して筋肉の血流がよくなると身体が温まるように、子宮も筋肉の血行が良くなれば温まります。三陰交にお灸することで子宮が温まるという検証も実際にされています。
妊娠する前から、できれば毎日1回三陰交にお灸することで、血行のいい子宮筋を維持することができます。その結果、生理痛がなくなったりPMSが改善されることも珍しくなく、生理周期による不快な症状も改善されます。
ただし妊娠初期は、三陰交には刺激を与えることができません。その理由は、流産の恐れがあるためです。実際に、妊娠していない女性の三陰交に多めに刺激すると、子宮内膜が剥がれる…生理を起こすことができます。(これを月経(生理)と呼ぶかは微妙ですが)
※多めに刺激すると…と書きましたが、これは普段では絶対にしない量で刺激をして検証したものなので、通常の常識的な量では子宮内膜が剥がれることはほぼおこらないと思います。それでも、念には念をということで妊娠初期に三陰交には刺激をしないことになっています。
そんな理由もあるので、妊娠する半年ほど前から三陰交のお灸を毎日して、先に柔らかい子宮を整えておくことが重要になります。
子宮の収縮を防ぐには
本日のお題『子宮の収縮を防ぐ』について解説していきますね。
結論から申し上げますと『肝のツボを穏やかにする』ことになります。
肝のツボの特徴としては、元気がなくなるだけではなく、あり余り過ぎても調子を崩すということです。穏やかにするというのは、そのあり余り過ぎている元気を発散させて散らせるということです。
子宮筋の収縮が多い方というのは、子宮の筋肉の収縮だけが多いわけではなく、他の筋肉の過剰な収縮も多くみられます。筋緊張性の頭痛が頻繁におきたり、どこかの筋肉がつりやすかったり。顔の筋肉が痙攣しやすかったり、生理痛が強かったりすることがよくあります。
筋肉のトラブルだけではなく、イライラなどの怒りのストレスにより身体に力が入りやすかったり、喉に何かが詰まったような感覚になったり、寝つきが悪く、眠れても夢を見すぎて熟睡できなかったりと、そんな症状も起きやすくなります。
熟睡できないデメリットについてはこちらの記事⇓をお読みください。
関連記事⇒【妊活】なぜ鍼灸は妊活にいいと言われるのか?その理由を解説していきます。
東洋医学には《虚実》(きょじつ)という考え方があります。肝のツボは虚することもあれば実することもあるのですが、虚した場合は元気を補う施術をし、実する場合は元気を抜くような施術をします。風船の空気はパンパンすぎると割れやすいので、余裕を持たせるためにも少し抜いた方がよかったりします。それと似ています。
鍼灸施術以外にも、筋肉を使う(運動をする)、汗をかく(運動でも温泉や岩盤浴、サウナでも)、声を出す(カラオケや談笑)などで発散という形で、気を抜く方法もあります。よく言われる、ストレス発散法と似ていますね。
今回の子宮の筋肉の収縮に関しましては、肝の元気が割と旺盛なタイプの方が多かったように感じられます。ハキハキとした口調で、テキパキしている性格、そして思ったら即行動できる頼りがいのあるような女性です。
これだけしっかりしている方なので、無意識で常に緊張感があり、周囲に気を配っていてリラックスが苦手な方とも言えます。
肝の気が旺盛なので、少し気を抜いてリラックスできるようになるとバランスが良くなりますね。
妊娠していない時の子宮は分かりにくいのですが、妊娠中期以降、特に後期はお腹が張っているかどうかが分かりやすいです。リラックスが上手な方のお腹は、水風船のようにぽよーんとしていることが多く、反対に緊張しやすい方は張りやすいお腹の方が多かったように感じます。
子宮筋の収縮と流産
どんな方でも、子宮の収縮はおこります。問題なのは、収縮しっぱなしだったり、収縮の回数が多い方です。
子宮筋の検査をしてくれるクリニックは、なかなかありません。
妊活をしている方が自ら情報収集をしてクリニックをみつけないといけない、そんな状態です。
もし、何回か着床はしているけれど、大体同じタイミングで流産してしまうという方がいましたら、ぜひご相談ください。もしかしたら、解決策をご提案できるかもしれません。
まとめ
まとめますと、子宮は赤ちゃんを育てる臓器でもあり、押し出す臓器でもある。
人によっては、子宮の筋肉が収縮しやすいことがある。妊娠中に子宮の収縮が強いと、流産や早産の恐れがあるため、収縮しすぎは良くない。
東洋医学では三陰交というツボが子宮と関係が深いとされている。
三陰交に毎日1回ずつ、お灸をすることで柔らかい子宮とふかふかの内膜を作ることができる。
三陰交は肝、脾、腎のツボ3つが交わるところであり、肝は子宮の筋肉、脾は子宮の内膜、腎は子宮の漿膜にアプローチができるため、三陰交1つで3つの効果が出せるお得なツボ。
しかし、三陰交は妊娠初期には刺激ができなくなるため、妊娠前にしっかりとお灸をして、子宮にいい血流を覚えてもらう。
妊娠初期に刺激ができない理由としては、流産の可能性があること。
子宮の収縮を防ぐためには、肝のツボを穏やかにしておくことが重要。肝のツボは元気があり余り過ぎることがあるため、少し気を抜くことが大切。
気を抜く方法は、鍼灸施術でもいいし、運動やカラオケなどで発散してもいい。
本日は、子宮筋の収縮と東洋医学の関係性について解説していきました。