自宅で安全にお灸の効果を引き出すために、台座灸(せんねん灸)に火をつける手順や、筒の向き、チリチリした熱さを感じた時の取り方の注意点を実演して解説する石丸院長

お灸

【実録】初心者でも安心!鍼灸師が教える自宅での正しいお灸のやり方

みなさん、こんにちは。 武蔵小杉鍼灸接骨院 院長の石丸です。 本日もブログをお読みいただきありがとうございます。

本日は、患者さんからいただく質問の中でも特に多い「お灸の自宅でのやり方」をご紹介します。 当院のブログでも、冷え性や睡眠障害、胃腸の不調などに対して「お灸がおすすめですよ」とお伝えしてきましたが、「実際にどうやって火をつけて据えればいいのか分からない」という方もいらっしゃいます。

お灸はツボに正しく据えることで、症状の緩和やお体への効果を最大限に引き出すことができます。しかし、間違ったやり方をしてしまうと火傷(やけど)の原因になってしまいますので、ぜひこの機会に正しいやり方をマスターしてください。

今回は、動画を見ながら一緒に実践できるように、準備するもの、お灸の正しい手順、そして大切な注意点を詳しく解説していきます。

自宅でお灸を始める前に準備する5つの道具

お家でお灸をする際は、まず手元に以下の5つのアイテムを揃えておきましょう。

・お灸(台座灸) いわゆる「せんねん灸」として市販されている、裏にシールがついているタイプです。シートから剥がして使うものなどがあります。台座の上に、もぐさが詰まった紙の筒が乗っており、ここに火をつけることで心地よい温熱刺激を与えます。熱さのレベルがいくつか用意されていますので、初めての方は一番温度の低い(ソフトな)ものから始めるのがお勧めです。

・灰皿 どのような形でも構いませんが、使い終わったお灸を入れる場所が広く、安全のためにあらかじめ「水を少し張っておけるもの」を用意してください。

・ライター お灸に火をつけるためのものです。100円均一などで売っている一般的なもので十分です。

・ペン ツボの位置に見当をつけて、印(マーク)をつけるために使います。水で簡単に消せるペンを選ぶと、お灸が終わったあとに肌に残らないのでお勧めです。

・濡れタオル なくても大丈夫ですが、お灸を取り外す際に指先を少し湿らせておくと、より安全に熱さを感じずに取り外すことができます。

鍼灸師が教える、安全で正しいお灸の3ステップ

今回は、手首の近くにある「陽池(ようち)」というツボを例にして、実際にお灸を据える手順を解説していきます。

ステップ1. ツボの位置にペンで印をつける まずは狙いたいツボの場所を正確に探し出し、ペンの先でちょんと小さな印をつけます。

ステップ2. 指に貼ってから火をつける(★ここが最大のポイントです) お灸の裏側にあるシールの台紙を剥がします。 ここで多くの方が「ツボ(肌)に直接貼ってからライターで火をつけよう」としてしまいますが、これは火が肌に近づいて非常に危険ですので絶対にやめてください。 剥がしたお灸は、一度自分の人差し指などの先にピタッと貼り付けます。その状態で、安全な位置でライターを使い、もぐさの先端に火をつけます。

ステップ3. 火がついたお灸をツボに移動させる 煙が出始めてしっかりと火がついたことを確認したら、指先からお灸をそっと剥がし、先ほど肌につけたペンの印(ツボ)の真上へと乗せます。

お灸がツボに乗ったら、そのまま火が消えるまで4分から5分ほどじっと待ちます。火がついてから1分ほど経つと、もぐさの熱が台座を通してじんわりとお肌へ伝わり始め、心地よい温かさを感じるようになります。

火傷を防ぐために絶対に守るべき3つの注意点

お家で安全にお灸を続けるために、以下の3つの注意点を必ず頭に入れておいてください。

1. 筒の先端(火のついた方)を必ず真上に向ける お灸の熱や煙は、まっすぐ上へと向かって昇っていきます。そのため、お灸を据えているときは必ず筒が天を向くような姿勢(水平な状態)を維持してください。 例えば、腕を斜めに傾けたりして筒が下を向くような形になってしまうと、火の熱がダイレクトに皮膚へ当たってしまい、大火傷の原因になります。必ず筒が上を向く姿勢でお灸をしてください。

2. チリチリ・ピリピリしたら我慢せずすぐに外す お灸を据えていて、じんわりと温かいと感じるうちはお体にとても良い刺激が入っています。しかし、途中で「チリチリする」「ピリピリと熱痛い」と感じた場合は、温度が熱すぎます。 時間が経っていなくても我慢をせず、すぐに親指と人差し指でお灸をつまんで取り外してください。このとき、あらかじめ用意した濡れタオルで指先を少し湿らせておくと、熱さを感じずに安全につまむことができます。

3. まっすぐ上ではなく、少しひねりながら取り外す お灸を取り外すときは、上に向かって無理にガバッと引っ張るのではなく、横に少しクルッと「ひねりながら」持ち上げると、お肌に負担をかけずに綺麗に剥がすことができます。外したお灸は、必ず水の入った灰皿の中にポトンと落として完全に消火してください。

自宅で行うお灸の回数は、1つのツボに対して「1日1回」据えれば十分に効果があります。飲めば飲むほど良いわけではないお水のお話と同じように、お灸も据えれば据えるほど良いというものではありません。回数にこだわるよりも、1日1回、ご自身がリラックスできる時間を見つけて、心地よい範囲で継続していくことこそが、お体を根本から元気に変えていく一番の秘訣です。

まとめ

自宅で安全にお灸を楽しむための重要なポイントは以下の通りです。 ・お灸は肌ではなく「まず指に貼ってから火をつけ」、その後にツボへ乗せる ・お灸を据えている間は、熱が皮膚にいかないよう「筒の先端を必ず真上に向ける」 ・チリチリ、ピリピリした不快な熱さを感じたら、我慢せずその場ですぐに外す ・取り外すときは「少しひねりながら」行い、必ず水の入った灰皿に捨てる ・回数は1日1回で十分。心地よい温かさを毎日のリラックスタイムとして継続する

道具さえ揃えれば、お家で誰でも簡単にできる素晴らしい伝統療法です。ぜひお体を労わるセルフケアとして取り入れてみてください。

これまでご紹介してきた「冷え性を解決する靴下の色(赤色の効果)」や「疲れやすい時の対処法(おへそのツボ・神闕の温め)」、さらには「過活動膀胱のツボ(仙骨の膀胱兪)」など、すべてのツボに対するセルフケアにおいて、今回のお灸のやり方がそのままベースとなります。ぜひ合わせて参考にしながら、お灸の効果を最大限に実感してください。

武蔵小杉でお体のお悩みや、本格的な鍼灸治療に興味がある方へ

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不安障害や不安神経症による過度な不安感を解消するために、肉体と精神の繋がりを表す「心身一如」の考え方に基づき、腎の働きを整えて睡眠やだるさを改善していく伝統的な鍼灸治療を解説する石丸院長【実録】不安障害・不安神経症を鍼灸で改善!心と体を同時に調える東洋医学前のページ

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