みなさん、こんにちは。
神奈川県川崎市武蔵小杉駅で鍼灸接骨院をやっております武蔵小杉鍼灸接骨院 院長の石丸です。
いつもブログをご覧くださりありがとうございます。
本日は【寒い時期によくなるギックリ腰】の解説と対策をやっていきます。
ぎっくり腰はとてもツライですよね。毎年冬になるとやってしまう、寒い時期には度々腰を痛めてしまう…そういった方の参考になる内容になっています。
このようなぎっくり腰にお心当たりのある方やお悩みの方は、是非最後までブログを読んでいってください。
目次
ぎっくり腰になってしまった時の対処法だけを知りたい方は、目次の《ぎっくり腰の対処法》から飛んで見てください。
ぎっくり腰についての説明
まずは、ぎっくり腰の説明をしていきます
ぎっくり腰とは一般的には、急に起こった強い腰の痛みの事ですね。
これが、ぎっくり腰です。
何か重い物を持ち上げようとした時に起こったり、靴下を履こうとして前に屈んだり、あとは腰をねじるなどの動作をしたときなどに起こることが多いです。
その他にも、朝起きた直後に痛みが出たり、特に何もしていないのに起こることもあります。
痛みの度合いはそれぞれで、かなり強い強烈な痛みだと立てない方もいらっしゃいます。動けるのだけど、靴下がはけない、トイレでお尻が拭けないなど前屈みが出来なくなる方もよくいらっしゃいます。
痛みは軽いのだけど、腰を動かすと力が入らなかったり不安感が強く出るといったパターンの方にも今回の内容は効果がありますので、是非冬の腰の不安をなくしていきましょう!
冬のぎっくり腰の原因
まずは、ぎっくり腰の原因から解説していきます。
一般的には、関節や軟骨の損傷、その他にも筋肉や筋(すじ)などの損傷などが多いと考えられています。冬は血流が悪くなるので、それも考慮されることが多いですね。
さて、この寒い冬におこる腰痛を東洋医学で考えてみましょう。東洋医学では季節や気候などが身体に及ぼす影響を含めて、ぎっくり腰の原因を考えていきます。
東洋医学の考え方に《五行》(ごぎょう)といって物事を5つに分けるものがあります。例えば、季節。私たちに馴染みのあるのは《春・夏・秋・冬》の四季ですね。しかし、五行で季節を考えると《春・夏・“長夏”・秋・冬》となります。※長夏は梅雨といわれたり土用(土用は約21日間ありそれが1年に4回ある)といわれたりしています。
鍼灸師がよく使う五行は《木・火・土・金・水》や五臓の《肝・心・脾・肺・腎》で、これらはツボなどとも関係してきます。この中で腰痛と関係が深いのが《腎》や《水》です。
東洋医学では『腰は腎の府』と言われていて、腰痛といえばまずは腎を考えます(他のタイプの腰痛もあります)
腎は特に冬に身体を温めてくれる作用があり、寒い時期にたくさん働いてくれる臓腑なのです。この腎の身体を温める働きが足りなかったり、腎が疲弊してしまったりすると腰痛があらわれはじめます。
他にも《五悪》といって気候を5つに分類したものがあります。《風・暑・湿・燥・寒》の5つです。腎は寒い環境を嫌いますので、寒い冬にぎっくり腰になりやすいのは、腎に負荷がかかりやすい季節だからとも考えています。
そんな理由から、寒い冬のぎっくり腰の原因は腎の働きの低下と東洋医学では考えます。
冬のぎっくり腰の対処法
それではここからは、そんな寒い時に起こりやすいぎっくり腰の対処法を紹介します。
冬のぎっくり腰の対処法は基本的には《急性期は安静》に《痛みが減ってきたら少しずつ無理のない範囲で動く》この2点が大切だと思います。
まずは急性期ですね。とにかく痛みが強く、動くのもツライと思います。この時は無理をせずに安静にするのがいいです。とにかく楽な姿勢で、痛みが出ないように動きは少なくですね。
次の日やその次の日になってくると少しずつ痛みが減ってくると思います。(人によっては痛めた日から数日は激痛という方もいらっしゃると思いますので、日数というよりは痛みの度合いで考えてください)動ける範囲が広がってきたら、少しずつ無理のないくらいで動いていくのがいいですね。痛みで動かしていなかった筋肉を、軽く動かしてあげましょう。そうすることで、動かず固まっていた筋肉を少しずつほぐすことができます。
よく聞かれる質問ですが、ぎっくり腰は冷やすか温めるかどちらがいいのかです。
こちらに関しましては、基本的には急性期は冷やして炎症を抑えましょう。急性期が終わりましたら、今度は温めるのがいいと言われています。
急性期の期間は痛めた当日~3日目くらいとなっていますので、この辺りは冷やしておく事が無難ということになりますね。
冬のぎっくり腰の予防
次に冬のぎっくり腰の予防法を紹介していきます。
寒い冬のぎっくり腰の原因は、東洋医学では《腎の弱り》で起こると先ほども説明しました。と、いうことで予防法は《腎》をケアすることになります。
参考記事⇒【腎機能】東洋医学からみた腎の負担になる生活習慣3選を紹介します。
上記の記事でも腎について解説していますので、詳しく知りたい方はチェックしてみてください。
腎は寒いのが苦手ですので、基本的には温めることをおすすめします。どこを温めるのかというと、まずは腰周りですね。腰周りを冷やさないように温めることで、腰やお尻の筋肉も温まり血行のいい状態でいられます。そうすることで、筋肉も柔らかくなるので腰を痛めにくくなります。
温めるというと貼るカイロを貼ったりするのかな?とお考えの方もいらっしゃると思いますが、そこまでしなくても腰が冷えない服装にしたり、ストレッチなどで筋肉の血流をよくして温めたりすることが重要です。
入浴も腰を温める方法としてはいいですね。シャワーで済まさず、しっかりと湯船に浸かっていただきたいです。
また、足首を冷やさないようにすることも大切ですので、足が冷たい方は靴下を履いたり、普段より厚めな靴下を着用することも有効です。
このように、冷えない工夫をしていただくことで、東洋医学的な《腎》の負担を減らすことができます。
これが腎をケアしながら腰痛を予防する方法の1つ目です。
他には、長時間の立つ姿勢はできるだけ避けることです。
先ほどでてきました《五行》ですが、五臓それぞれの臓器に負担のかかる姿勢というものもあります。こちらは《五労》(ごろう)というもので、長時間その姿勢でいると特定の臓器に負担がかかり弱ってしまうという考えです。
五労は《行・視・座・臥・立》の五つで、腎に負担になるのは《立》です。
これには《五主》(ごしゅ)という分類が関係してきて《筋・血脈・肌肉・皮毛・骨》の五つが五主です。この中で腎に対応するのは骨になります。立つ姿勢は骨にかかる負荷が多いため、腎を消耗させてしまうということから、長時間の立ちっぱなしの姿勢は避けていただきたいということですね。
実際に立ちっぱなしによって腰が痛くなる方もいらっしゃいますので、そのような経験があるかたは要注意ですね。
座って休めることが1番なのですが…そうはいかない場合はしゃがんだり、屈伸をしたり、少し歩いたりしてあげるだけでも骨への負担は変わりますので何かしら動いて姿勢を変えてあげてください。
これが2つ目の腎のケアになります。
ここまでは冬の腰痛ということで、姿勢や血流に関することと腎の関係について書いてきました。最後にご紹介するのは食べ物での腎のケアです。
腎臓の機能を上げてくれる食べ物として【黒い食べ物】がいいとされています。《五色》(ごしき)という色の分類がありまして《青・赤・黄・白・黒》の五色です。腎には黒との関係が深いということで、黒い食べ物は腎を元気にすると言われています。
具体的には
- 黒豆
- 黒ゴマ
- 黒キクラゲ
- ひじき
- 昆布
このような黒い食べ物を意識して食べていただくと腎のケアになると思います。
食べるときも、よく噛んで唾液をたくさん出すようにして食べると腎のサポートになりますので、そこも意識していただけるとより一層効果的ですね。
まとめ
まとめますと、ぎっくり腰の一般的な原因は、関節や軟骨、筋肉や筋(スジ)の損傷と言われている。
東洋医学では《腎》が原因と考えられている。『腎は腰の府』と言われていて、腰と腎は密接な関係があると昔から考えられている。
腎は身体を温める作用があるため、冬の寒い時期などは負荷が大きくなる。そのため、冬に腰を痛めやすくなると考えている。
そんな冬のぎっくり腰の対処法は、痛めてすぐの急性期は安静にする。痛みが減ってきたら、無理のない範囲で少しずつ動くこと。
痛いのに無理やり動かしたりは絶対にしないで、動く範囲で少しずつ動かしていく。
温めるか冷やすかについては、痛めた当日から3日くらいまでは冷やして、そこからは痛みがひいてきていれば温めるのが無難。
冬のぎっくり腰の予防法は、まずは腰を冷やさない。
腰周りの筋肉が冷えてしまい、腰を痛めやすくなってしまうだけではなく、東洋医学的にも腎の負荷が大きいため要注意。
この東洋医学的な《腎》をケアすることが、冬のぎっくり腰のカギとなる。
先にも書いたように、腰周りを冷やさないような服装を意識してもらうことや入浴できちんと温まることが大切。足首の冷えも腎にはよくないので、足首が冷えないように靴下を履いたりする。
他には、長時間の立つ姿勢が腎の負担になるので、ただただ立ちっぱなしな状態は避ける。(適度に歩いたりしゃがんだり座ったりして姿勢を変えてもらう)
食べ物は黒い食べ物が腎にはいいとされているので、黒豆、黒ゴマ、黒きくらげ、ひじき、昆布などを意識的に食べること。
本日は寒くなると増えるぎっくり腰について、対処法と予防法について紹介していきました。