疲労

【重だる】雨の日の過ごし方について鍼灸師が東洋医学的に考えてみました。

みなさん、こんにちは。

神奈川県川崎市武蔵小杉駅で鍼灸接骨院をやっております武蔵小杉鍼灸接骨院 院長の石丸です。

いつもブログをご覧くださって、ありがとうございます。

今回はですね、雨の日の過ごし方について解説していきます。

天気によって体調が左右される方って、結構いらっしゃるんですね。その中でも、やっぱり雨が降ると体調も気分もすぐれないという話をよく耳にしますので、そんな雨の日の対処法について東洋医学的な説明をしていきます。


目次


雨の日の身体の変化

まず、雨の日にはどういった身体の変化があるのか、東洋医学的に説明していきますね。

東洋医学には《五臓の働き》というものがあります。五臓というのは『肝』『心』『脾』『肺』『腎』の5つで五臓とまとめて呼びます。

この五臓にはそれぞれ機能があり、毎日しっかり機能していると身体は健康でいられます。しかし、何かのきっかけで機能が下がってしまうと、不調として身体やメンタルにあらわれてきます。

五臓の中に『脾』というのがあるのですが、これは機能的には消化器の役割があります。消化・吸収だけではなく、食べ物からエネルギーを作り全身に送り出す作用があると東洋医学では考えています。

雨の日に調子が崩れるポイントとして、この『脾』が関係してきます。

五臓にはそれぞれ苦手な気候というものがあり、肝=風、心=暑、脾=湿、肺=燥、腎=寒となっています。

脾は湿気がとても苦手なんですね。ですので、雨が降ると湿気によって脾の機能が下がってしまい、身体にいろんな影響を与えるので不調を感じるといわれています。

雨の日の不調というのは『湿』によってこの『脾』の働きが弱まることが原因なんですね。

具体的な身体に起こる不調としては、食欲が低下したり、反対に異常にお腹がすいたり、いつもよりも疲れやすいなどといった体調の変化が起こります。

それに加えて、東洋医学では五臓の調子が悪くなると身体的な症状だけではなく、メンタルにも不調があらわれやすくなります。脾の不調でおこるメンタルの変化としましては、気分が落ち込んで抑うつ状態になったり、クヨクヨ思い悩む状態になったりするといわれています。

このような状態を解消するためには、湿気でおちた脾の働きを上げてあげるのがいいですね。


積極的に摂りたい食べ物

それではここからは、脾の機能を上げたりサポートしてくれる方法をご紹介していきます。

五臓にはそれぞれに適した色があります。肝=青、心=赤、脾=黄、肺=白、腎=黒となっています。

色だけではなく味もありまして、肝=酸、心=苦、脾=甘、肺=辛、腎=鹹(しおからい)というふうになっています。

脾の機能を上げるためには、黄色くて甘い物ですね。こういった食べ物を採られるといいと思います。

黄色くて甘い食べ物の具体例としては、柿、さつまいも、じゃがいも、かぼちゃ、とうもろこしなどです。

東洋医学は何千年も前に考えられたものなので、当時の甘味は砂糖の甘味ではなく食材そのものから感じられる甘味のことになりますね。


なるべく避けた方がいい食べ物

それではここからは、先ほどとは反対に脾の機能を下げる可能性のある食べ物について説明していきます。

いつもいつも避けた方がいいわけではなく、雨の日は特に避けた方がいい食べ物になりますね。

先ほどの五臓でも出できました『肝』。肝の機能を旺盛にする食べ物は、雨の日には避けた方がいい物になります。

五臓にはそれぞれが持っている性質があります。

肝=木、心=火、脾=土、肺=金、腎=水という性質があり、肝は木の性質になります。

脾は土の性質ですので、肝(木)が旺盛に働きすぎると脾(土)の栄養を吸い取ることになってしまします。

ですので、雨の日は脾の元気が落ちている状態なので、肝の元気が旺盛になるのは避けたいですね。

肝を元気にする食べ物は《酸っぱい食べ物》になります。昔から、脾が弱っているときは酸っぱい食べ物を食べ過ぎてはいけないとも言われています。昔の人も雨の日の過ごし方を体感で分かっていたようですね。

肝を元気にする酸っぱい食べ物の具体例としましては、酢、レモン、ミカン、梅などです。こういた食べ物は雨の日には避けた方がいいと考えています。

雨の日の過ごし方

それでは本日の本題でもあります、雨の日の過ごし方について説明していきますね。

先ほどから述べている通り、脾の機能=胃腸の調子ですね、これを下げないように労わってあげるのですが、消化器ですのでまずは《ゆっくりとよく噛む》ことですね。口でよく噛むだけでも消化器の負担を減らしてあげることができます。

お米をよく噛むと甘味を感じるようになってきますが、それくらいよく噛んでから飲み込めるといいです。

胃腸が冷えてしまうと働きが悪くなりますので《冷たい食べ物を控える》のもおすすめです。できるだけ、温かい食べ物や飲み物、せめて常温のものにしてもらうのがいいと思います。

どうしても冷たい物を食べる際は、急いで飲み込まずに口の中でよく噛みながら口の中の温度に近づけてから飲み込むと胃腸の冷えを軽減できます。

そして《軽い運動をする》のも脾の負担を減らすことになります。身体が重だるく疲れやすい日なので激しい運動はおすすめできませんが、ストレッチや負担にならない程度の筋トレなど、軽い運動で全身の気のめぐりを良くすることで胃腸の働きをサポートすることができます。

案外運動することで、だるさが軽減されることもありますね。

もう雨の日は何してもダメ。絶対動けない…なんていう方もいらっしゃると思います。

雨の日は湿度の影響で脾の機能が下がってしまうことで、食べ物を消化吸収してエネルギーに変えて全身へ送る力が弱まっているので疲れやすいんですね。

ですので、どうしてもしんどい時は、いつもより早く寝て体調を整えるのも1つの手段になります。


まとめ

まとめとしましては、雨の日は東洋医学でいう《脾》の働き、機能的には消化器ですね。この働きが落ちてしまうので、脾(消化器)の機能を上げることがメインになります。

脾の機能を上げる食べ物として、黄色くて甘い食べ物を食べつつ、脾の機能を下げる肝を元気にする食べ物、酸っぱいものですね。これらは避けていただくのがいいですね。

食べるときは胃腸の負担にならないように、よく噛んで食べることと、温かい食べ物や飲み物を選ぶと脾を労わって食事ができます。

そして、疲れやすく気分も落ち込みやすくなりますので、軽い運動などをして落ち込んだ気分を発散させたり、どうしてもしんどかったらいつもより早めに寝るのも1つの手段だと思います。

本日は、東洋医学から考えた雨の日の過ごし方について解説していきました。

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