みなさん、こんにちは。
神奈川県川崎市武蔵小杉駅で鍼灸接骨院をやっております、武蔵小杉鍼灸接骨院 院長の石丸です。
本日もブログをご覧くださり、ありがとうございます。
今回は【慢性上咽頭炎】でお困りの患者さんを施術した時に、セルフケアとして実際に効果があったなと感じた解消法を3つご紹介します。
この記事を読んでいただくと
- 鼻と喉の間の痛み、乾燥感、違和感
- 鼻の奥から喉にかけて鼻水が流れる後鼻漏
- 慢性上咽頭炎に付随して起こる耳鳴り、めまい、睡眠障害、頭痛、首コリ
- 喉に絡む痰
- 声が出しにくい
- 鼻の奥が臭う
- 倦怠感
など、つらい慢性上咽頭炎の症状を解消する方法が分かると思いますので、普段から上咽頭炎の症状でお困りの方は、是非最後までブログを読んでいってください。
目次
当院の過去の上咽頭炎のブログや動画をご覧になったことのある方や、解消法だけ知りたい方は⒊効果のあった解消法3選からお読みください。
慢性上咽頭炎の説明
上咽頭炎とは
まず最初に、上咽頭炎とはですね。上咽頭炎とはどんな状態かといいますと《鼻の奥と喉の境にある、上咽頭という場所が病的な炎症を起こすこと》です。これが上咽頭炎です。
分かりやすくすると、この上咽頭と呼ばれる場所に炎症が起こることによって、痛みや痒みを引き起こし、それに伴いさまざまな不快症状も起きやすくなるということです。
このさまざまな不快症状とは、鼻と喉の間の痛みや違和感、鼻水が喉の方に流れる後鼻漏、耳鳴り、めまい、睡眠障害、喉に痰が絡む、声が出しにくい、鼻の奥が臭う、首のコリ、頭痛、倦怠感などが考えられます。
この上咽頭炎の怖いところは、放置しておくと全身の上咽頭から離れたところに炎症を引き起こし、二次疾患を引き起こす可能性があるといわれています。
この二次疾患ですが例えば、腎臓の症状や、関節に炎症が起こる慢性関節リウマチ、アトピー性皮膚炎などの皮膚の症状など、一見上咽頭炎とは関係なさそうな疾患につながる恐れがあります。
ですので、上咽頭炎は放置せずにしっかりと施術するのが大切ですね。
上咽頭炎の種類
上咽頭炎には種類がありまして、風邪などをひいたときに一時的に喉が痛くなる【急性上咽頭炎】と弱い炎症が長期間続き不快症状が長引く【慢性上咽頭炎】に分かれます。
慢性上咽頭炎の場合は、喉のイガイガや後鼻漏、肩こり、めまい、頭痛、倦怠感、不眠などの症状がなかなか良くならないことから、これらの症状が身体の負担となり、より一層症状が改善しにくくなってしまい、結果的にかなり長期間慢性上咽頭炎の症状を引きずっている方もいらっしゃいます。
先に書きました通り、上咽頭炎は二次疾患にもつながりますので、慢性上咽頭炎で悩まれている方は、他の症状でもつらい思いをされている場合もあります。
慢性上咽頭炎の原因
一般的な上咽頭炎の原因
上咽頭炎の原因は、正確には分かっていないのですが、一般的には
- 細菌やウイルスによる感染症
- 冷え
- 過労
- 睡眠不足
- ストレス
- 空気の乾燥
- 鼻の症状
- 口呼吸
- 後鼻漏
などが原因として考えられています。
感染症以外は、普段のお身体の調子によって上咽頭炎が出やすくなることもありそうですね。
東洋医学的な上咽頭炎の原因
上咽頭炎を東洋医学で考えますと【肺】の弱りと考えます。
ここでいう肺は、東洋医学で使用される肺の考え方なので、みなさんが思う一般的な肺の機能とは異なる部分があります。
東洋医学には《五臓の働き》というものがあります。
五臓とは【肝】【心】【脾】【肺】【腎】の五つで五臓と呼ばれ、呼吸器に関係する臓器は肺になります。
この肺は、内臓としての肺だけではなく、気管や喉、鼻など呼吸に関係する部分も含まれます。
ですので、この東洋医学の肺の機能が落ちると、呼吸器の症状である上咽頭炎が生じると考えているんですね。
肺が弱った状態を、東洋医学では《肺虚》(はいきょ)といいます。
肺虚になりやすい方によくみられる症状としては
- 咳
- 鼻炎
- 呼吸が苦しい
- 皮膚が弱い
- 息切れ
- 風邪をひきやすい
などがあります。
肺の機能が落ちているので、呼吸に関係する喉や鼻に症状がでやすく、元気も落ちやすいため炎症もなかなか鎮まらない方が多いです。
他にも、肺に熱が入って炎症が起きると考えることもあります。
肺に入ってきた熱を、うまく処理できずにそのまま上咽頭炎の症状として出てしまうという流れです。
こちらは《肺熱》(はいねつ)と呼ばれる状態になりますね。
東洋医学の上咽頭炎の原因は、このような考え方になります。
効果のあった解消法3選
ここからは、つらい上咽頭炎に効果的だった解消法を3つ紹介していきますね。
濡れマスク
1つ目は【濡れマスク】です。
先ほど、上咽頭炎の原因でも紹介したのですが、東洋医学的に肺の機能が低下すると上咽頭炎が起きるという考え方があります。
この肺の機能が弱る原因に《乾燥》があるんですね。
東洋医学では、五臓がそれぞれ嫌う外気の状態がありまして、それを【五悪】(ごあく)といいます。
五悪の中で、肺が嫌う状態が乾燥になります。乾燥することで肺の機能が下がりやすくなりますので、加湿してあげることが大切なんですね。
今回ご紹介する濡れマスクは《口につける加湿器》といわれるほど、喉を潤してくれますので、肺の機能を維持する方法としては、とてもオススメです。
商品によっては、10時間も加湿効果が持続する濡れマスクも売られていますので、例えば上咽頭炎の症状が朝にひどい場合は寝てる間に濡れマスクを着けていただいたり、夕方に症状がひどくなる場合は日中につけると症状が軽くなると思います。
最近は寝るとき用の濡れマスクも販売されているので、ご自身の症状やライフスタイルに合ったものを使ってみてください。
Amazon【まとめ買い】のどぬ~るぬれマスク 昼夜兼用 立体タイプ 無香料 3セット入り×4個 小林製薬
なた豆茶
上咽頭炎解消におススメ、2つ目は【なた豆茶】です。
こちらは、後鼻漏を解消する方法でも紹介していますが、この《なた豆》が後鼻漏や上咽頭炎の解消にとても役立つんですね。
なた豆とはマメ科の大きな豆なんですけども、豆のさやの形が刃物の鉈(なた)に似ていることから、なた豆と呼ばれています。九州地方では有名みたいですね。
なた豆は昔から漢方でも使われていて、効能は《膿をとること》です。なので、なた豆は別名《膿とり豆》とも呼ばれているんですね。蓄膿症の症状でお困りの方によく使われているようです。
また、なた豆には《消炎作用》もあるので、炎症を鎮めてくれるんですね。これが、上咽頭の炎症でもあります上咽頭炎に効果がある理由だと考えられていますので、なた豆茶は上咽頭炎にピッタリなお茶ですね。
なた豆には種類がありまして
- 白なた豆
- 赤なた豆
- タチなた豆
の3種類があります。この中で、上咽頭炎の方におススメするのは赤なた豆茶ですね。
タチなた豆は毒性が強く食用に向かないので、必然的に赤か白になります。(ちなみに赤なた豆茶に使用する赤なた豆は、焙煎した物です)
慢性上咽頭炎で悩まれている何人かの方に白なた豆茶と赤なた豆茶を試してもらったところ、赤なた豆茶の方が効く気がするとのことでした。
ですので、私は《赤なた豆茶》をオススメしています。
飲み方はホットで飲むのがいいですね。
濡れマスクのところでも説明しましたが、肺は乾燥を嫌いますので、温かいお茶を飲むことで湯気で喉を潤してあげることができます。
赤なた豆茶を飲む場合は、湯気まで飲むイメージで飲んでいただけると、より一層効果的だと考えています。
赤なた豆茶は店頭で売っていることが少ないので、Amazonなどの通販で買っていただけるといいですね。
Amazon ママセレクト 国産 赤なた豆茶 ティーバッグ 3g×30包 なた豆茶 なたまめ茶 赤なたまめ茶
お灸
上咽頭炎解消に効果的な方法、3つ目はお灸です。
ツボは【天突】(てんとつ)という喉にあるツボで、過去にもスムーズに痰を出すツボというブログでもご紹介しています。
天突は喉の症状の時によく使うツボで、上咽頭炎の症状の方にも使用します。
正直に言いますと、これが1番効くと思ってます。
天突は本当にすごいです!!
それでは、ここからは天突について説明していきます。
《天》を《突く》と書いて天突、ツボの効果は『利咽』(りいん)といいまして、喉の調子を整えることです。
そんな天突のツボの位置は
- 身体の真ん中のライン
- 左右の鎖骨の間の凹み
です。
身体の真ん中のラインというのは、下の画像のように考えます。
次に、左右の鎖骨の間の凹みを見つけます。
その辺りを押してみて、ズーンと響くところがあれば、そこが天突です。
※敏感なツボになりますので、強く押すと調子が崩れる可能性もありますので、軽く押すだけにしてください。
天突を見つけたら、本当はお灸がいいのですが、家にお灸がない、一人でお灸したことがない、一人でお灸していても見えにくいところなので怖くてできない、そんな場合は天突を温めてください。
温め方としましては、私のブログでも度々登場しているペットボトル温灸がいいですね。
ペットボトル温灸とは、若林理砂先生が考案されたペットボトルを使ってお灸の代わりにツボを温める方法になります。
ペットボトル温灸のやり方
それではペットボトル温灸のやり方について解説していきますね。
使うものは《ホット専用のペットボトル(オレンジのキャップの物)》と《沸騰直前のお湯》と《水》です。
- ホット専用のペットボトルに水を1/3入れます
- 残りの2/3に沸騰直前のお湯を入れます
- ペットボトルのキャップを閉めて、軽く振ります
これで完成になります。
※必ずホット専用のペットボトルを使用することと、水を先に入れることです。お湯を先に入れると、ペットボトルが変形したり破損したりする恐れがあります。
できあがったペットボトル温灸のキャップ側を持ち、ペットボトルの底の方を天突に当てます。
温かさを感じたら離し、もう一度当てる。また温かさを感じたら離すというのを5回ほど繰り返します。
天突辺りが温まると、喉周辺も温かくなり、喉の通りが良くなるのを実感できると思います。
天突のペットボトル温灸を1日に3回ですね、朝、昼、晩と火傷に気を付けてやってみてください。
関連記事⇒【ペットボトル温灸】火を使わない、煙も出ない、お手軽簡単なお灸を紹介します。
ツボ押し
ペットボトル温灸ができなさそうなら、ツボ押しでも大丈夫です。
人差し指と中指の2本の指で、天突のツボにある骨(胸骨)に引っ掛けるようにして押します。
喉の方に押すのではなく、引っ掛けるようにしてです。
グーっと30秒ほど刺激します。強さはそんなに強くなくていいです。
こちらの動画で一緒にできますので、ぜひやってみてください。
以上が、現時点で私が慢性上咽頭炎に効果的だと感じた解消法になります。
今後また別の効果的な解消法などを見つけましたら、お知らせしますのでたまにチェックしてみてください。
まとめ
まとめますと、慢性上咽頭炎におススメな解消法は
- 濡れマスク
- 赤なた豆茶
- 天突のお灸、ツボ押し
この3つになります。
是非、慢性上咽頭炎でお困りの方は参考にしてみてください。
こちらの方法も一緒に試されると、より効果がでると思いますので、気になる方はご覧ください。
関連記事⇒【上咽頭炎】風邪でツラい喉の痛みや、しつこい喉の痛みを解消するツボを紹介します!