みなさん、こんにちは。
神奈川県川崎市武蔵小杉駅で鍼灸接骨院をやっております武蔵小杉鍼灸接骨院 院長の石丸です。
本日もブログをご覧くださり、ありがとうございます。
今回は、妊活についてなのですが、ちょっとマニアックな内容になっております。
体外受精の胚移植後の過ごし方についてです。初めて移植する方も、何度もされている方も、移植した胚が着床するためには何ができるか考えてしまいますよね。
そんな時に多い質問を、まとめてみました。
※世間の意見はこうだけど、私が現場でみているリアルはこうだ!という経絡治療家としての主観が入りますので、悪しからずご了承ください。
目次
胚移植(はいいしょく)とは
この記事をご覧の方は、現在妊活中で更に専門のクリニックで治療なさっている方だと思います。なので、改めて胚移植についての説明が不要な方は胚移植の日の過ごし方からお読みください。
胚(はい)とは
体外受精では、卵子と精子を身体から取り出して受精させます。
受精の仕方は、『ふりかけ』といって動きやすく処置をした複数の精子を1つの卵子にふりかけてあげる方法と、もう1つは『顕微授精』とよばれる方法で、培養士さんが精子を1匹選び、卵子に受精させる方法があります。
どんな受精方法でも、受精した受精卵は、その後分割といって細胞分裂を始めます。これが『胚』です。
残念ながら受精できないことや、受精はしたけれど分割しない(成長しなかった)こともあります。そういった場合は、胚移植には至りません。(その段階でお悩みの方は【妊活】質のいい卵子に出会うためにできること。いつから何をすればいいのかを解説します!!をお読みください。)
《胚》を《移植》するとはどういうことか?
身体の外でめでたく胚になったら、今度はそれを身体のなかに戻してあげなくてはいけません。
しかも、それを自然に妊娠したのと同じように戻してあげるのです。
自然に妊娠すると、①排卵→②受精→③分割→④着床という流れになります。
体外受精は①~③の途中までは、身体の外で行います。精子と卵子の質や、培養士さんの腕にかかっていますね。
母体の子宮内膜やホルモンの状態というのは、毎日変わってきます。変わる理由は、受精卵が無事に着床できるようにするためです。
そして、胚も着床するまでに分割していきます。やっぱりこっちも、着床できるように成長していくんですね。
そんなわけで、身体の外にある胚と母体の環境を揃えたうえで、胚を母体内に戻すと妊娠成立しやすくなると考えられているんですね。
この、胚を母体内に戻すことを【胚移植】と呼んでいます。
胚移植の日の過ごし方
今回のメインの話になります。
胚移植が行われたら、数日で着床します。移植した胚がどのくらい分割が進んでいるかで、着床までの日数は変わってきます。
母体内に移植された胚は、止まることなく分割を進めて、胚盤胞(はいばんほう)とよばれる状態まで分割したらいよいよ着床します。(胚盤胞まで育っても着床しない場合もあります。この段階でお悩みの方は【妊活】質のいい卵子に出会うためにできること。いつから何をすればいいのかを解説します!!をお読みください)
さて、移植した後はどういう過ごし方がよいのでしょうか?
結論から書きますと【生理予定日(もしくは判定日)までは、普段通り過ごしてください】と、なります。
『着床しやすいように、横になってた方がいいですか?』や『腹圧がかかること(お腹に力が入ること)はしない方がいいですか?』などの質問を受けることはよくあります。
お気持ちは、分かるんです。新しい生命を身体に戻してもらったわけですし、とっても心配になりますね。
以前は、クリニックでも移植直後はベッドで横になって安静にする時間を設けていたところもありました。
しかし、安静時間を設けない方が着床率が高くなるというデータがでてからは、移植後は最低限の時間で帰されることがほとんどです。
ホルモン剤の影響で体調が悪い方は、もちろん無理しなくていいのですが、わりとなんともない方は普段と変わらない過ごし方をしていただきたいです。
胚移植の次の日からの過ごし方
次の日からも同様で、体調に変化がなければ普段通りの生活を送ってください。
あえて、お仕事を休んだりしなくていいですし、家事もいつも通りでいいと思います。ただし、気晴らしや気分転換は多めの方がいいです。リラックスする時間をとることは大賛成です!
また、それまで自宅で三陰交にお灸をしていた方は、生理予定日(もしくは判定日)までは、それまでやってきたのと同じ量や回数までなら施灸していただきたいです。
※鍼灸師によっては、移植後からは三陰交のお灸はしないと言う方もいます。しかし、私の経験上 ①生理予定日(もしくは判定日)まで三陰交にお灸をつづけた方 と ②移植日で三陰交のお灸をやめた方では、①の方が出産に至る確率が高かったです。それに気がついてからは、生理予定日(もしくは判定日)までは三陰交のお灸は続けていただくようにしています。
※三陰交は子宮の筋肉に刺激をあたえるツボになります。軽い刺激の場合は、子宮の筋肉の血行を良くする程度ですが、刺激しすぎますと子宮の筋肉が収縮して子宮内膜が剥がれて生理が来てしまいます。妊活をしている方で、三陰交のお灸が気になる方は【東洋医学専門の】鍼灸院でお灸の仕方や刺激の量などを相談してみてください。
胚移植後の入浴について
『受精卵は暑いのが苦手だから、湯船にはつからない方がいいですか?』
この質問もよくいただきますが、人間の身体の中は一定の環境を保つようにできています。湯船につかっていて身体が温まると、発汗すると思いますが、それは、汗をかくことで体内の環境を一定に保とうとしています。ですから、あえて入浴を控える必要はないと思います。
ただし、注意していただきたいのは、身体を温めようと思って、疲れてしまうくらい入浴することです。身体を温めることも大切ではありますが、身体が元気か疲れているかの方を気にかけていただきたいです。
入浴の話題でたまに出てくるのが、汗がでにくい体質の方です。汗をかきにくい体質の場合は、元気が(東洋医学では気)足りない方が多いので、そういった方は長時間の入浴は身体に負担になってしまいますので、無理に汗をかこうとはしないでいただきたいです。また、そういった方は、移植後の生活は『疲れないように・疲れても回復できるくらい』の負荷で生活していただくのがいいと思います。
胚移植後の運動について
これも、基準は入浴と一緒になります。なりますが、あえて筋肉痛になるような運動やハーフやフルマラソンのようなハードな運動はしなくて(しない方が)いいと考えています。
ウォーキングやヨガなど身体の循環を良くするような運動は、普段からしている方はしてもいいと思います。
まとめ
胚が着床するのに必要なこと、それは
- 胚が成長するのに必要なホルモンがしっかりあること
- ホルモンを届ける血流があること
- 子宮内膜の受け入れスタンバイができていること
- 子宮が過度な収縮をしないこと
だと考えています。
ホルモンに関しては、クリニックで治療している場合はお薬で追加するパターンもありますが、血流が悪くては吸収したホルモンは目的地まで届きません。
ホルモンの出をよくすること、血流をよくすること、子宮の過度な収縮を抑えることに共通するのはリラックスできるかどうかになります。
タスクはこなして、オフの時間にしっかり休む。特に睡眠は大切です。
心配なお気持ちは分かりますが、検索魔にならず、癒される動画などを見て、幸福ホルモンを増やしていただくのが1番とお伝えしています。
本日は、胚移植後の過ごし方について、私なりの考えを説明させていただきました。
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