みなさん、こんにちは。いつもブログをご覧くださり、ありがとうございます。
武蔵小杉鍼灸接骨院の石丸です。
本日は【完全版!後鼻漏のツボのまとめバージョン】こちらを紹介していきます。
以前から【後鼻漏】や【上咽頭炎】に関するYouTube動画は結構反響があり、問い合わせや実際に来てくれる方が増えてきています。
この反応をみると、後鼻漏や上咽頭炎で困っている方がこんなにもたくさんいるんだなと感じます。
私は神奈川県の川崎市で鍼灸院をやっているんですが、遠方からわざわざ来てくれる方がどんどん増えてきています。東京や埼玉、千葉、静岡、辺りから毎週、時間もお金も労力もかけて来てもらってます。
とてもありがたいなって思いながら、いつも施術させていただいています。
後鼻漏や上咽頭炎でいらっしゃた方々が口を揃えて『こんなに楽になるならもっと早く知りたかった』と仰るのを耳にすると、やっぱりツボを刺激して鼻の症状が軽くなったり解消されたりするという考えにはなかなか至らないんだなと感じます。
長年この症状で悩んでいて、色んな所で様々な方法を試したけど改善しなかった方が、私のYouTube動画を見てツボ押しで改善し、そこから実際にいらっしゃて施術してより改善した方も中にはいます。
そこで、改めて考えてみました。セルフケアでも改善する可能性があるのであれば、もうみなさんに私が普段使っているツボをお教えしようと。これだけ困っている方がいるのであれば、1人でも多くの人に楽になってもらいたいなと思っています。
後鼻漏や上咽頭炎でいらっしゃった方に、普段から施術で使っているツボを大公開します。
実際に私が施術したら、初診料で1,000円プラス施術料で8,000円の合計9,000円いただいてるんですが、今回はその内容を紹介します。
一言で後鼻漏や上咽頭炎と言っても、タイプがあります。紹介するのに、後鼻漏のタイプを症状別に記載しますので、後鼻漏の症状でご自身が特に気になっている症状と照らし合わせて読んでいただけるといいと思います。
目次
後鼻漏の説明
まずは後鼻漏について簡単に解説していきますね。鼻水は前(鼻側)に流れていくパターンと後ろ(喉側)に流れていくパターンがあります。鼻側に鼻水が流れていくのを前鼻漏といい、後鼻漏は漢字のごとく後ろに流れていくパターンの話しになります。
喉の方に流れて行ってしまう上に、鼻水がねっとりとしていてベタベタとへばり付いてしまう状態が多く違和感や不快感を感じる方もいます。粘っこい痰や口臭が出てくることもあります。喉の方に流れるため、鼻水を口から吐き出すか飲み込むしかなく、量が多いと食事がとりにくくなったり、呼吸もしにくくなるため睡眠も満足にとれなくなります。
ここまで生活に支障が出てくると、ストレスも多くなり他の疾患にならないか心配になってきますね。
後鼻漏の原因
後鼻漏には大きく分けて2つの原因があると考えています。
1つ目は鼻水が作られる量が多い。
2つ目は鼻水の流れるスピードが遅い。
この2つになります。
1つ目の鼻水が作られる量が多いから説明していきます。
みなさん、鼻水が普段どのくらい出ているか知っていますか?風邪や花粉症などの鼻炎症状がない限り、鼻水が止まらない、鼻をかみ続けないといけない…なんてことがないと思うので気にしている人は少ないのではないでしょうか。
実は、病気でもなんでもない方でも鼻水は1日に1リットル~1.5リットル(人によっては2~6リットルという話もあるくらいです)も分泌されています。後鼻漏でも紹介しましたが、この自然に流れ出てる鼻水は喉の方、後ろ側に流れて行ってるので幸いにも気になりません。
人間は普段から不感蒸泄(ふかんじょうせつ)と言って、気づかないうちに皮膚や汗から水分が体外に出て行っていますが、これに似ていますね。ちなみに不感蒸泄では皮膚から600ml、呼気からは300mlで合計900mlもの水分が出ていくようです。鼻水(1.5リットル)と合わせると2.4リットルも自然に水分が出ているということになりますね!
そんなわけで、普段から鼻水が分泌されているのですね。この鼻水の正常な量を超えた時に、自然に流れていかない、わざわざ飲み込む動作をしなくてはいけないとなってくると、違和感がでてきます。
これが後鼻漏の原因の1つ目、鼻水が作られる量が多いです。
2つ目の鼻水の流れるスピードが遅いは、正常な鼻水はサラサラしているので勝手に流れていってくれるんですね。しかし、これがネバネバした鼻水だったらどうでしょうか。サラサラの鼻水と比べて、なかなか流れずにへばり付いている場合は違和感を感じそうですね。
普段から大量な鼻水が出ているのに、それがなかなか流れないということは渋滞が起きやすく溜まりやすくなってしまいます。こうなってくると違和感から不快感に変わりますので、生活にも支障が出てきます。
これが2つ目の原因、鼻水の流れるスピードが遅いです。
後鼻漏の東洋医学的な原因
東洋医学でも後鼻漏の原因を考えた時に①鼻水が作られる量が多いタイプと②鼻水の流れるスピードが遅い(鼻水がネバネバしている)タイプに分けられます。
まずは知っていただきたい東洋医学の基礎
東洋医学の考え方の基礎には《五行》(ごぎょう)という考え方があります。(他にも陰陽などもありますが、ここでは五行の説明だけとしますね)これは、物事を5つに分類して考える方法です。季節、気候、時間、臓器、感覚器(目や耳など)、感情、体液(涙、唾、鼻水など)人間が生きていく上で関りのあるもののほとんどが分類されていると思います。
鍼灸師はこの中でも臓器の5つ《五臓》(ごぞう)をよく使います。『肝臓』『心臓』『脾臓』『肺』『腎臓』の5つです。
この5つはみなさんもご存じの臓器ですが、東洋医学では考え方が変わってきます。この臓器の名前は身体の機能の名前なんですね。ちょっと意味が分からないと思いますが…少し詳しく解説しますね。
今回のお題は後鼻漏、鼻の症状ですね。東洋医学には《五官》(ごかん)という感覚器を5つに分ける分類があり、鼻はここに含まれます。『目』『舌』『口』『鼻』『耳』の5つになります。この鼻と関係の深い五臓は肺になります。肺は東洋医学でも呼吸と関係していますし、他にも水分を身体全体に撒いてくれたり、皮膚の潤いなどを保つのにも
①鼻水が作られる量が多いタイプ
東洋医学では鼻水などの身体から出る水分は《五液》(ごえき)に分類されています。五液は『涙』『汗』『涎』『涕』『唾』の5つです。『涕』は鼻水の意味で、五臓と照らし合わせると『肺』にあたります。
ということで、鼻水が作られる量が多い原因は【肺の弱り】になります。この、肺の元気がないことを【肺虚】(はいきょ)と呼びます。
先ほども書きましたが、東洋医学での肺は呼吸と共に水分を全身に撒く力があります。窓にはぁ~と息を吹きかけると湿るのが、この肺の呼吸の力を借りて水分を撒くイメージです。
肺の機能が弱ってしまうと、水分の調節がうまくい
かなくなるため、水分が多すぎたり反対に届かなくて乾燥してしまうことになったりします。
これが鼻水が作られる量が多い原因です。
②鼻水の流れるスピードが遅いタイプ
2つ目の鼻水が流れるスピードが遅いタイプですが、正常な鼻水は流れているのにも気が付かないくらいサラサラと流れていきますが、サラサラと流れないということは鼻水がネバネバ、ドロドロしているということになります。
東洋医学ではこのようなネバネバした鼻水のことを『痰』(たん)と呼びます。五臓の中でこの痰と関係が深いのが『脾』になります。
『脾は痰を発生させる源であり、肺は痰を貯蔵する器である』という言葉が東洋医学にはあります。
脾の作用としては、飲食物を消化吸収し身体に必要な栄養(血、気、水)を様々な組織へ供給してくれます。つまり、体内にある水分は脾の作用で作られると考えているんですね。
作られた水分は、肺に運ばれて全身に撒かれるという流れがあるのですが、脾の調子が悪いと水分がスムーズに肺に運ばれず、停滞することによって水分が痰になりやすくなるとされています。煮物などが煮詰まっていくときのような感じですね。
脾の調子が悪い状態を【脾虚】(ひきょ)といいます。
これが流れが遅い鼻水ができる理由になります。
実際に使っている後鼻漏のツボ
それではここからは、私がいつも後鼻漏で悩まれている方に使用する、実際の施術で使うツボを紹介していきます。
今回は3つのタイプに分けて解説していきますね。
- 鼻水の量が多いタイプ
- 喉に痰が張り付くタイプ
- 喉の横に痰が張り付くタイプ
鼻水の量が多いタイプ
まずは鼻水の量が多いタイプです。
使うツボは【上印堂】(かみいんどう)と【上星】(じょうせい)です。上印堂は鼻水が出てる人や、鼻詰まりの人に使うツボです。
場所は眉毛の間から少し上に指を滑らせたところ。押して響くところが上印堂です。
上印堂を30秒グーと押してみましょう。
次に【上星】です。上星のツボの効果は《宣肺》(せんはい)といいまして、肺の機能を高めることが期待出来ます。肺の機能を良くしてあげることで、後鼻漏の症状改善を狙います。
上星を見つけるポイントは
- 前正中線上
- 髪の生え際より上に1寸
まずは、お臍と鼻のてっぺんを結ぶ身体の中心(前正中線)を見つけます。
次に、前髪の生え際を見つけます。
※生え際が分からない方は、おでこにシワを寄せる動きをしたときに、動く部分(シワが寄る部分)と動かない部分があると思います。その、動くところと動かないところの境目が生え際になります。
1寸は親指の幅になります。
身体の中心で、生え際から1寸上がったところを軽く押してみます。
押してみてツーンと響くところがあれば、そこが上星です。
ここを30秒グーと押してみましょう。
関連動画⇒【実践】鼻詰まり解消のツボを紹介します
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喉に痰が張り付くタイプ
次に喉に痰が張り付く症状のタイプです。
使うツボは【天突】(てんとつ)と【膻中】(だんちゅう)です。
天突のツボの効果は《利咽》(りいん)といいまして、のど(咽喉)の調子を整える効果があると言われています。
天突を見つけるポイントは
- 身体の前(お臍側)
- 鼻の先端とお臍を繋ぐように線で結んだ真ん中のライン
- 左右の鎖骨の間の凹み
です。
はじめに身体の真ん中のラインを見つけます。
次に左右の鎖骨の真ん中の凹みを探ります。(鎖骨と鎖骨の間に胸骨という骨があり、胸骨の上の凹みにもなります)
その凹みが天突です。
天突を見つけたら、人差し指と中指の2本の指で刺激するのですが、そのまま後ろに向かって(喉の方)押すと苦しくなりますので、凹みを作っている骨(胸骨)に向かって押します。
イメージは、胸骨の裏側を刺激する感じです。
天突はお灸で温めるのがとてもよく効くので、お灸に抵抗がなかったらオススメです。過去に天突を紹介したときには《ペットボトル温灸》で温めるというのを紹介していますので、興味がある方はこちらもチェックしてみてください。
関連動画⇒【慢性上咽頭炎】実際に効果のあった解消法を3つ紹介します
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次に【膻中】です。膻中のツボの効果は《化痰》(けたん)といって、痰を出す効果があると言われています。
膻中を見つけるポイントは
- 体の真ん中のライン
- 左右の乳頭(乳首)を結んだライン
- 押してツーンと痛いところ
この辺り押したら痛い所がありますので、膻中を見つけたらグーっと30秒押していきます。
ここに出てきました天突と膻中は、ヒステリー球という症状にも効果的です。喉元の不快感を解消するツボなんですね。
関連記事⇒【ヒステリー球】不快な喉の詰まり(つまり)をスッキリ解消するツボ3選!!
喉の横に痰が張り付くタイプ
次に喉の横に痰が張り付くタイプの人ですね、
これは【天鼎】(てんてい)と【合谷】(ごうこく)です。
天鼎のツボの効果は《清咽》(せいいん)といって、痰などを取り除いて喉を清らかにする事です。 また大腸経ツボの道で手の人差し指から肘の外側を通り、首の横から鼻までつながっているので、喉の横の張り付きによく効きます。
天鼎を見つけるポイントは
- 胸鎖乳突筋の後ろ
- 喉ぼとけと同じ高さ
首を横に向けると耳の下から鎖骨に向かって走っている筋がでます。その筋肉が胸鎖乳突筋です。
喉ぼとけの高さで胸鎖乳突筋の後ろの方にゴリゴリしていたり、痛い所があります。そこが天鼎のツボの場所です。
ここを人指し指や中指を使って回すようにほぐしていきます。30秒やりましょう。(胸鎖乳突筋の前にある水突もつまんで一緒に刺激してもいいです)
次に【合谷】です。合谷も大腸のツボの仲間です。
合谷を見つけるポイントは
- 手の甲の第二中手骨(だいにちゅうしゅこつ)を見つけること
- 第二中手骨の親指側
- その真ん中
手の甲側で第二中手骨を見つけていきます。第二とは人差し指のことで、中手骨は手の甲や手のひらから触れることのできる骨です。
第二中手骨を見つけたら、その骨の親指側の縁を触ります。手の親指と人差し指の間の水かきあたりですね。
中手骨の親指側の縁を触れたら、中手骨のちょうど真ん中が合谷になります。
押してみると、ズーンと響く感じがあると思います。
響く所があったらそこをグーと30秒押していきます。
このパターンの後鼻漏の方は、濡れマスクといった喉を保湿してくれる製品なんかもオススメですね。
まとめ
後鼻漏の東洋医学的な原因は、肺の弱りによって鼻水の量が増えてしまうことと、脾の不調によって痰ができやすくなってしまうためと考えられます。
鼻水の量が多いタイプの方におすすめなツボは、【上印堂】(かみいんどう)と【上星】(じょうせい)です。
喉に痰が張り付く症状のタイプの方には、【天突】(てんとつ)と【膻中】(だんちゅう)をおすすめします。
喉の横に痰が張り付くタイプの方には、【天鼎】(てんてい)と【合谷】(ごうこく)がおすすめです。
私の他の記事でも後鼻漏解消にオススメのツボや後鼻漏解消にオススメの食べ物なども紹介しています。そちらも一緒に使ってもらえると後鼻漏の解消により一層効果的だと思います。
動画や記事のリンクも貼ってありますので、気になる方はそちらも読んでいってください。
本日は【完全版!後鼻漏のツボのまとめバージョン】ですね、こちらを紹介しました。