みなさん、こんにちは。
神奈川県川崎市武蔵小杉駅で鍼灸接骨院をやっております武蔵小杉鍼灸接骨院 院長の石丸です。
本日は【後鼻漏】(こうびろう)について解説していきます。
一般的にはあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、当院ではよく施術する症状の1つです。
マイナーな症状ではありますが、後鼻漏の症状と東洋医学的な原因、当院での施術の仕方、よく使うツボ、ご自宅でのケアについて解説していきます。
お時間が無い方は、まとめだけでも分かるようにしてありますので必要なところだけお読みください。
後鼻漏で悩んでいる方のお力になれたら幸いです。
目次
後鼻漏の症状
まず後鼻漏の症状ですが、鼻水が喉の奥に流れていく症状です。人によっては痰の塊が喉の奥の方に貼りついたような感じがすると訴える方もいらっしゃいます。
健康な人でも1日に1L~1.5Lの鼻水が排出されていますが、サラサラと喉の方に流れていくことが多いので気になりません。問題なのはサラサラと流れないベタベタした鼻水だったり、鼻水の量が多い場合です。
この後鼻漏は、鼻水が喉の奥へ流れていくので、それを口から外へ出すか飲み込むしか処理する方法がありません。なので、排出される鼻水が多く飲み込めない場合や、粘度が高く流れない鼻水の場合はとても気になるようになります。
ひどい方だと鼻から喉の奥に流れるということで、夜眠れないことや、食事が食べにくいなど日常生活に支障をきたすこともあります。
後鼻漏の原因
1)西洋医学的な原因
後鼻漏の原因としてよく言われているのが風邪、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などがあります。他にも自律神経失調症で発症するとも言われています。
2)東洋医学的な原因
ここからは、当院での後鼻漏の原因と施術法を解説していきますす。
東洋医学には、独自の理論として【五臓の働き】(詳しくは別の機会に説明します)というものがあります。五臓とは《肝》《心》《脾》《肺》《腎》の5つで五臓と呼び、体内で五臓がそれぞれ働くき、役割をしっかりと果たしてくれていると健康。働きが鈍かったり、反対に働きすぎたりとバランスを崩すと何かしらの症状として現れます。
後鼻漏の場合はこの五臓のなかで《肺》か《脾》のツボの調子を整えるように施術することで改善していくケースが多いです。
ここからは、1つずつ解説していきますね。
まず、後鼻漏は“鼻”と書くだけあり、鼻にまつわる症状ですので呼吸器のツボ《肺》と関係が深いと考えます。《肺》のツボの機能が弱っていて後鼻漏になっている場合は後鼻漏以外にも呼吸が苦しい症状もあることもあります。《肺》は自律神経とも関係がありますので自律神経の乱れで後鼻漏になるパターン、それに加えて睡眠時に眠りが浅い症状もお持ちの方が多いように思います。皮膚の症状が出やすいことや乾燥している空気が苦手なんてこともある方もいます。
次に《脾》のパターンですが東洋医学で《脾》は胃腸の機能と関係が深いと考えられています。胃腸の機能が下がることで痰が出やすくなると考えられていますので(こちらも詳しくは別の機会に説明します)、食欲が落ちていたり、お腹を触ってみるとおへその周り(胃腸の機能の状態が出やすいところ)が特に冷えていることが多いです。睡眠にも症状が出ることがあり《脾》の場合は寝つきが悪くなります。
後鼻漏の改善方法
1)当院のアプローチ
上記にもありますが、一言で【後鼻漏】と言っても《肺》か《脾》のどちらのパターンかによって施術方針が変わりますので、後鼻漏以外の症状からも、どちらからくる後鼻漏か体質を見極めます。そして全身にあるツボを使い《肺》や《脾》の機能を高めて施術していくのが当院のやり方になります。
2)自宅でのケア
食べ物
自宅でのケアとしてツボに合った食べ物がありますので、そういったものをよく食べるようにしてみてください。
例えば《肺》のタイプの後鼻漏の方は白い食べ物がいいと言われていて、白ごま、白菜、大根などを意識して食べるといいです。
《脾》のタイプは黄色い食べ物がいいとされていてかぼちゃ、じゃがいも、とうもろこしなどをよく噛んで食べてみてください。
YouTube⇒【注意】後鼻漏の症状を悪化させる避けるべき食べ物とは?
ブログ⇒【後鼻漏】注意!!ネバネバした痰を悪化させる、避けるべき食べ物とは?
ツボ
後鼻漏におすすめのツボの説明をします。私が後鼻漏の方によく使うツボは『上印堂』(かみいんどう)というツボです。上印堂の見つけ方ですが『印堂』という眉頭と眉頭の間にあるツボから指で真っ直ぐに上になぞり上げ押してみると、鼻の奥にツンと響くような痛いところがあるでしょうか。もしあれば、そこが『上印堂』です。上印堂はおでこの骨の溝上にあるので、溝を押して探してみてもいいと思います。(溝がど真ん中にない方もいらっしゃいます)
後鼻漏の症状がつらいときは上印堂を温めるのがおすすめです。ホットのペットボトルを上印堂に当ててもいいですし、電子レンジで温めるあずきのカイロも使いやすいと思います。上印堂の辺りは敏感ですので熱すぎず、少しぬるめの物で温めてください。
実際の施術では鍼を上印堂から印堂へ横刺というやり方で刺し、鼻の奥に響かせるように狙います。ご自宅では温めるのも効果的だと思いますので、後鼻漏でお悩みの方は上印堂を使ってみてください。
まとめ
後鼻漏の症状:鼻の奥に鼻水が垂れていく症状で喉の奥で痰のように固まってしまい貼りついたような感じがある。
西洋医学的な原因:風邪、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎で発症するのが一般的で自律神経失調症などでもおこることがある。
東洋医学的な原因:《肺》や《脾》のツボの機能の低下。
当院での施術:《肺》か《脾》かを見極め機能を上げるツボを使う。
ご自宅でのケア:《肺》のタイプであれば白い食べ物(白ごま、白菜、大根など)、《脾》のタイプであれば黄色い食べ物(かぼちゃ、じゃがいも、とうもろこしなど)を食べる。
おすすめのツボ:眉間の印堂から上へ上がったところにある『上印堂』をぬるめな温度の物で温める。
後鼻漏は比較的改善しやすい症状ですので、お悩みの方は是非お近くの東洋医学専門の鍼灸院へご相談してみてください。