お灸

【不眠症】睡眠障害についてタイプ別に東洋医学の視点から解説していきます

みなさん、こんにちは。神奈川県川崎市武蔵小杉駅で鍼灸接骨院をやっております武蔵小杉鍼灸接骨院 院長の石丸です。

鍼灸院には日々様々な悩みを抱えた方が沢山いらっしゃいます。その中でも今回は【不眠】【睡眠障害】について東洋医学的な考え方、睡眠のタイプ別、オススメの食べ物、ツボの紹介をしていこうと思います。

目次

  • 不眠とは
  • 東洋医学的な不眠の考え方
  • タイプ別不眠症
    • 入眠障害(寝つきが悪い)
    • 中途覚醒(何度も目が覚める)
    • 早期覚醒(早く目が覚める)
    • 塾眠障害(眠りが浅い)
  • 不眠症の対処法
    • 入眠障害(肝のタイプ)
    • 中途覚醒(腎のタイプ)
    • 早期覚醒、熟眠障害(肺のタイプ)
  • 日常生活でできる睡眠障害の対処法
    • 朝日を浴びる
    • 朝にお味噌汁を飲む
  • まとめ

不眠とは

「不眠症とは、入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害などの睡眠問題が1ヶ月以上続き、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠の原因はストレス・こころやからだの病気・クスリの副作用などさまざまで、原因に応じた対処が必要です。

厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトより引用」

厚生労働省のこの文を見てもわかりますが、一言で不眠と言っても色んなパターンと原因があります。

また現在日本で

5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」、「何らかの不眠がある」と回答しています。それほど不眠症睡眠障害で悩まれている人は沢山いらっしゃいます。

東洋医学的な不眠の考え方

東洋医学の1つの特徴としまして、目に見えない【気】の流れに着目して考えるということがあります。その【気】と【五臓の働き】という考え方を結びつけて身体の調子を読み取っていきます。

【五臓に働き】の五臓とは【肝】【心】【脾】【肺】【腎】の五つからなり、身体の中でこの五つの臓器の気の流れのバランスがとれている状態が健康だと考えます。どこかの臓器の気の流れが下がってしまったり気の流れが悪くなったりすると、臓器の働きが下がってしまい不調として体調にあらわれます。

鍼灸師が施術方針を考えるとき、この五つの臓器のどこで気の過不足が起きているのかを見つけだして改善策を導き出します。

例えば、呼吸器の不調があれば肺のツボの気の流れが悪いと考えたり、排尿に関するトラブルであれば腎のツボの気の流れが悪いと考えたりします。

タイプ別不眠症

それでは次に、不眠症の症状が五臓のどのタイプに分類されるのかについて解説していきますね。

  1. まずは寝つきが悪い入眠障害。こちらは肝のタイプの不眠症になります。眠りにつくまで30分~1時間以上かかる方はこの入眠障害の可能性があります。
  2. 夜中に何度も目が覚める、中途覚醒。こちらは腎のタイプの不眠症です。せっかく眠れたのに何度も起きてしまい、睡眠が妨げられてしまいます。妨げられる理由は、トイレに起きたり、寒くて目覚めたりさまざまあります。
  3. 予定していた時間よりだいぶ早く目覚めてしまう、早期覚醒。こちらは肺のタイプの不眠症です。まだ寝たいのに目覚めてしまってもう眠れない。結果的に睡眠時間が短くなってしまい、睡眠不足になってしまいます。
  4. 最後に、眠りが浅い熟眠障害。こちらも先ほどの早期覚醒と同じで肺のタイプになります。理想的な睡眠は、朝目覚めたらすっきりと起きられ、身体も軽やかで気分も爽快なのですが、寝たのに寝た気がしなかったり、身体がだる重く寝たはずなのに疲れているような方です。

東洋医学ではこのように睡眠障害を分類することができます。

次にそれぞれのタイプ別に対処の仕方やおススメの食べ物、ツボなどを紹介していきます。

不眠症の対処法

入眠障害(肝のタイプ)

肝のタイプの入眠障害の一番の原因はストレスです。

東洋医学では五臓以外にも五つに分類する考え方があります。

感情や感覚器、味などを分類していて感情は【五志】(ごし)と呼ばれ【怒】【喜】【思】【憂】【恐】の五つ、感覚器は【五官】(ごかん)と呼ばれ【目】【舌】【口】【鼻】【耳】の五つ、味は【五味】(ごみ)とよばれ【酸】【苦】【甘】【辛】【鹹】(塩からい)の五つが分類されています。

これらの五つの分類は、縦のつながりもあり五臓の【肝】と五志の【怒】と五官の【目】と五味の【酸】はそれぞれ施術方針を決めるときやケアを考えるときに活用します。

肝は怒りと関係してくるため、ストレスでイライラしたりすると肝の働きは悪くなってしまいます。反対も然りで、肝の働きが悪くなっていると怒りやすくもなります。ですので日頃からストレス発散を心がけ、運動などで身体を動かしましょう。散歩やストレッチなどの軽い運動でも構いませんし、運動することが苦にならないのであればジョギングや水泳などもいいと思います。

また《発散》することが重要ですので、カラオケなどで声を出すこともいいですね。声を出すということでは、お喋りするのも発散になります。この、発散が肝の働きにとって大切な働きになります。

肝は目とも深く関係するので、肝タイプの睡眠障害の方は寝る前のスマートフォンやパソコン、テレビなどは控えるのをオススメします。1日を通して目を休ませられるのが理想ではありますが、寝る前は特に電子機器で目を酷使するのは肝の機能を低下させるのでやめた方がいいですね。

肝のタイプにオススメの食べ物は梅、ニラ、レモン、酢などがオススメです。肝をサポートしてくれる味は【酸】になりますので酸味を含む食べ物が多いですね。また、肝は香味野菜のような香りの強い食べ物で気の流れが良くなりますので、苦手じゃなければ香味野菜も取り入れてみてください。1つ注意点としては、摂り過ぎもよくないことです。

肝のタイプの睡眠障害の方に私がオススメするツボは、足にある【太衝】(たいしょう)です。足の甲にありまして、親指と人差し指の間で骨と骨が近くなるところにあります。親指と人差し指の間の水かきの部分から足首の方へ指で撫で上げると、止まるところがあると思います。そこが太衝です。

太衝をみつけたら優しく30秒ほど押してあげてください。深呼吸を意識して押すのがポイントです。

過去の動画で寝つきを良くしてくれる飲み物として《レモン白湯》も紹介しております。白湯は内臓をを温めるとともに興奮している神経を穏やかにしてくれます。そこに肝を調整してくれるレモンを入れることで、寝つきが悪い方にピッタリな飲み物になります。

気になる方は↓↓をチェックしてみてください。

関連動画⇒【レモン白湯】免疫力向上やダイエットにも効果的!

関連記事⇒寝つきを良くする【レモン白湯】免疫力向上やダイエットにも効果的!!

中途覚醒(腎のタイプ)

腎のタイプの睡眠障害の原因は加齢冷えだと考えます。ですので、普段から冷えの改善を意識するといいと思います。

東洋医学では『老化は腎の弱りから』という言葉があるように、腎のツボの働きと老化はイコールと言ってもいいくらいに密接に関係してきます。夜中に何度もトイレに起きたり、加齢とともに代謝が悪くなり身体が温まらないなどは腎の機能が弱ることで出てくる症状と考えます。

肝のところでも書きました五つの分類には【五悪】(ごあく)というものがありまして、天候や環境を分類したものになります。悪とついているだけあり、五悪は五臓が苦手な環境、五臓が弱りやすい状況をあらわしています。【風】【暑】【湿】【乾】【寒】の五つが五悪で、腎は寒が苦手です。東洋医学での腎は身体を温めてくれる作用があり、寒い環境だと腎の働きが大きくなります。その結果、腎が疲れてしまうことになりますので、できる限り寒くない状態を作ることが腎をサポートすることになります。

寝るときに湯たんぽを入れたり、できるだけ素足でいないようにしたり、寒いと感じたら1枚羽織る、毎日湯船で温まるなど小さな工夫から始めてみてはいかがでしょうか。

五つの分類には色を分類したものがありまして【五色】(ごしき)と呼ばれます。【青】【赤】【黄】【白】【黒】の五つで腎に当たるのが黒になっています。そこから黒い食べ物は腎を助けてくれるといわれておりますので、腎のタイプの睡眠障害にお悩みの方にオススメの食べ物は【黒い食べ物】黒豆、黒ゴマ、海苔、昆布、わかめ、醤油などになります。

腎のタイプに私がオススメするツボは足にある【太渓】(たいけい)です。足首にありまして、内くるぶしとアキレス腱の間の凹みが太渓のツボの場所になります。優しく押してあげたり、お灸で温めてあげるのもいいですね。

太渓のツボの見つけ方をくわしく解説していますのでこちらを参考にしてください。

関連動画⇒【太渓】ツボの正しい探し方。手順は3つ!実際にやりながら説明します!

関連記事⇒【ツボ】腎のツボ《太渓》正しいツボの探し方を3ステップで解説します。

安全な自宅施灸のやり方はこちら↓↓をご覧ください。

関連動画⇒【お灸のやり方】自宅でのお灸のやり方を紹介します。

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火を使わずにツボを温める、ペットボトル温灸のやり方はこちら↓↓からチェックしてください。

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早期覚醒、熟眠障害(肺のタイプ)

肺のタイプの睡眠障害の原因に多いのは自律神経の乱れです。夜更かししてしまったり、時間が不規則なお仕事をされている方に多く見られます。

夜更かしに心当たりのある方は、寝るための時間をしっかりとってみるのもいいと思います。ちょっと難しい話なのですが、寝るのにも体力や気力が必要になります。その気力や体力は寝ないと回復できません。睡眠障害で悩んでいるのに寝る時間を増やすなんて無理!と思われる方もいらっしゃると思います。ここで言う寝る時間というのは、心身を休めて横になる時間のことです。何もせず横になっていると気になることが出てきてスマホをいじってしまったりして、余計に休まらない経験があると思いますが、そういったことを少なくすることから始めてみてはいかがでしょうか。

先ほど紹介した【五色】では、肺に当てはまるのは白になります。ですので、肺のタイプにオススメの食べ物は【白い食べ物】白ごま、白菜、豆腐、白身魚等です。肺のツボの働きをサポートしてくれますので、ぜひ意識して取り入れてみてください。

肺のタイプに睡眠障害の方に私がオススメしたいツボは、手にある【合谷】(ごうこく)です。とても有名なツボですね。手の甲の親指と人差し指の間にあるので優しく押してあげてください。

合谷の探し方について詳しく解説していますので、こちらを参考にしてください。

関連動画⇒【合谷】ツボの正しい探し方。手順は3つ!実際にやりながら説明します!

関連記事⇒【ツボ】合谷の正しい探し方。手順は3つ!実際にやりながら説明します!

日常生活でできる睡眠障害の対処法

朝日を浴びる

睡眠で悩んでる人は朝日を浴びるのをオススメします。

朝日を浴びるとセロトニンというホルモンが分泌され、このセロトニンが睡眠ホルモンと言われるメラトニンの原料になります。メラトニンは睡眠のリズムや体内時計の調節をしてくれるため、睡眠障害でお悩みの方には必要なホルモンになります。

また朝日には体内時計をリセットしてくれる働きがあるので、不規則な生活をしている人には特にオススメです。

毎朝起きた時はカーテンを開けて朝日を浴びる習慣を取り入れてみてください。

朝にお味噌汁を飲む

もう一つセロトニンを増やす方法として、朝にお味噌汁を飲むという方法があります。

お味噌にはトリプトファンという必須アミノ酸が多く含まれていて、このトリプトファンはセロトニンの材料になるものです。体内で作ることはできないため、食べ物から摂取しなくてはならないのです。

朝にお味噌汁から摂取したトリプトファンは、日中はセロトニンとなり自律神経の調節する働きを活性化させ、夜にはセロトニンがメラトニンとなり入眠のサポートをしてくれるという流れですね。

お味噌汁以外にもトリプトファンを多く含む食べ物は、納豆、豆腐、醤油などの大豆製品です。この中でも、温かくして食べられるお味噌汁は、1番のおすすめです。

朝に温かい飲み物を飲むと、内臓が温まり身体も動きやすくなります。
くわしくはこちら↓↓にありますので、気になる方はチェックしてみてください。

関連動画⇒【自律神経失調症】絶対にやって欲しい朝の習慣!不眠などにも効果的

関連記事⇒【自律神経失調症】絶対にやって欲しい朝の習慣2つと効果的なツボをご紹介します!!

まとめ

まとめますと、睡眠障害には入眠障害、中途覚醒、早期覚醒、熟眠障害などのタイプがあり、現在日本では5人に1人が悩んでいるそうです。

東洋医学では睡眠障害は【五臓の働き】というものをベースに考えていて、睡眠障害のパターンが五臓の何に当てはまるのかで施術方針を考えていきます。

寝つきが悪い入眠障害の場合は《肝》のタイプの睡眠障害と考えられていて、何度も起きてしまう中途覚醒タイプの睡眠障害は《腎》、まだまだ起きる時間ではないのに目覚めてしまう早期覚醒は《肺》のタイプで、眠っている時間は取っているのに寝た気がしない熟眠障害の場合は先ほどと同じ《肺》になります。

入眠がなかなかスムーズにいかない肝のタイプの睡眠障害では、イライラなどのストレスで眠れなくなってしまったりします。ですので、ストレスを発散してもらうことが効果的です。この発散が、肝の働きにはとても重要になってきます。また、東洋医学では肝は目とも関係してきますので、寝る前のスマートフォンやパソコン、テレビなどは控えるのをおすすめします。肝を助けてくれる食べ物は酸味のあるものになりますので、梅干しやレモン、お酢を意識的に摂っていただくといいですね。他にも香味野菜のような香りの強い食べ物が肝の働きを上げてくれます。香味野菜の中でもニラが特に肝にはいいので、ニラも積極的に食べてください。肝のタイプの睡眠障害の方にご紹介するツボは足にある《太衝》です。優しく30秒ほど押してください。

夜中に何度も起きてしまう中途覚醒の睡眠障害は腎のタイプで、加齢や冷えが原因だと考えています。腎のツボは冷えに弱いため、冷えない工夫や身体を温めることでサポートできます。寝るときに湯たんぽや湯船につかる、家でも靴下を履くなど小さなところからコツコツやってみるのがいいと思います。腎のタイプの睡眠障害の方におすすめする食べ物は黒い食べ物です。黒豆、黒ゴマ、海苔、昆布、わかめ、醤油などが代表的な黒い食べ物で、意識的に食べていただくといいですね。ご紹介するツボは足にある《太渓》です。押してあげたり、お灸で温めたりするのが向いているツボです。

予定時間よりも大分早く起きてしまったのに寝くれない、睡眠時間は確保しているのに寝た気がしないような睡眠障害は肺のタイプで、原因は自律神経の乱れです。夜更かしする癖がある方や、お時間が不規則なお仕事をされているような方に多く見られます。できる限り何もせず横になる時間を作って、心身を休めることを心がけていただくといいですね。肺をサポートしてくれる食べ物は、白い食べ物ですので白ごま、白菜、豆腐、白身魚などを食べてください。肺のタイプの睡眠障害でお悩みの方にご紹介するツボは《合谷》です。手にあるツボですので、いつでもどこでも押してあげることができますので、優しく押してあげてください。

本日は睡眠障害を東洋医学的なタイプに分けて解説していきました。

不眠や睡眠障害の症状でお困りでしたら、東洋医学専門の鍼灸院でもあります武蔵小杉鍼灸接骨院までご相談ください。

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